第21話 若い芽を潰す
のっけから謎の展開だが、俺はタイムトリップする能力をゲットした。
プロ野球選手として生活している俺がタイムトリップをする目的は結局ひとつに絞られた。俺のスタメン出場を阻んでいるレギュラー連中が幼い時代にタイムトリップして、全員を亡き者にする。
さすれば、俺はチームの看板スターになれるっていう青写真を描いたんだ。
二十年前にタイムトリップ。まだ幼い小さいレギュラー連中を殺害するときはさすがの俺も心が痛んだが、心を鬼にして何人も首を絞めて息絶えさせた。
俺は二十年前時代の連続少年殺害容疑者として警察から追われる身となった。間一髪で現在に戻ってこれた。
少年時代、俺に殺されてしまったレギュラーの選手たちはもちろん存在していなかった。ついに俺の時代が来たと確信した。
……結果を言えば、俺はレギュラーにはなれず、要するに以前と同じく、しがない控え選手として毎日を送っている。
まったく知らない連中が華麗なプレーで躍動する現実。
どうやら俺が持つ野球の実力は、どうあがいてもこんなもののようだ。結局俺より野球の才能・実力がある連中はいくらでも湧いてくる……。
つまりは殺し損だろうか? そういう問題じゃねえか。
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