第7話 念ずれば通ず(一念天に通ず)

 念ずれば通ず……。


 幼きときより周囲から虐待・イジメなど、非道な扱いを受けてきた男あり。

 彼は周囲を呪った。世の中を呪った。徹底的に周囲の人間や世の中の無惨な滅びを念じた。


 そして、彼が呪った周囲の悪辣な人間たちが苦しみのうちに死んでいくことと相成った。なんだ? 「デスノート」じゃあるまいし……。


 彼は、自分には大きな恐ろしい念力があるのではないかと思い至り、それはそれで悩みが深まっていく。


 世界が急速に滅亡に向かっていくのを目の当たりにし、彼は罪の意識にさいなまれ、己の考えの浅さを呪った。自己嫌悪は甚だしくなり、自分はこの世から消えてしまいたいとさえ考えるように。が、もう遅い。


 彼は非業の死を迎え、ともに世界は滅んだ。


 念ずれば通ず。

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