第11話
[ たちまち訳あり女子 ]
第1話「初相談部(仮)活動!とのことです。」
翌朝、登校中。
相談部(仮)と部活名を決め、部活を設立するには「信用」と「実績」が必要である。瞬也と紀亜は良い案を考え、実行するまで話を煮詰めていた。
瞬也はいつものように朝が弱いのが分かる足取りで登校している。
『おはよー瞬也!』
後方から明が呼んだ。
『おはよう。』
俺は手をフワッと挙げ、かけ寄る明を待つ。
『昨日はどうだったんだ?噂じゃー、生徒会にカチコミしたって聞いぜ!』
明がクスリと笑い、噂話をする。
『合ってるけど、合ってない。』
俺は半分は合っていると、首を振る。
『というと?』
『そのー、紀亜が部活を作りたいらしい。』
明がムッとした表情だった。
それから瞬冶は昨日のことを事細かに明へ説明した。
斯々然々。
『なるほど!』
『本当にまいったよー。』
俺はため息をして説明を終えた。
『やっぱ紀亜さんって感じだなー』
頭に手回し感心して歩く。
『そうだよな、紀亜って感じの行動だよな』
俺は彼女の話をして、苦笑しながら明へ反応する。
『私がなんだって?』
コツンッと瞬冶の頭部へ手を当てる。
(いた!なんだよ)
俺は後ろを向いた。
すると、紀亜が不満げにしていた。
『『紀亜!』』
二人は言葉が揃う。
『お、おはよう紀亜さん良い小突きっぷり!』
『あ!明くーんおはよう。私の小突きは凄いでしょ?』
『は、はい。』
彼女は褒められてご機嫌である。
『痛い!紀亜。』
『呼び捨てー!てか、男でしょ?そんなので大丈夫なの?で、瞬冶は何か考えてきた?』
彼女はいつも通りである。
『そうだった。』
『瞬冶ー、俺席外した方が良い?』
『大丈夫。』
そうは言ったものの明をよそに、俺は彼女へ案を出す。
1、相談ボックスの配置
2、ポスター作り
3、メンバー集め
『どうでしょう部長。』
彼女の反応を見ると、少し表情が曇るが数分ほどすると彼女が口を開く。
『メンバー集めをして、相談でも勧誘出来たらって感じね?』
紀亜が聞いてくるので俺は頷いた。
『分かった?』
『はい!部長。』
こうして作戦が決まったのであった。
『なんだーこの二人。』
明は二人を見て笑っていた。
海学校内。
それから瞬也らは学校へ着き、勉学に取り組んむ。
今日もそうなのだが、大半が座学でありテストも近いということもあるからだろう。授業を受けているうちに昼になる。昼休みを終え、午後の授業も段々と進んだ。
ホームルーム。
『今からプリントを配布する。』
担任の先生の話である。
プリントが一通り配り終えると、クラスが少しざわつき私語が目立つ。
『部活入部許可書だ!』
男子生徒がつぶやく。
『私やっぱ吹奏楽かなー』
『女子マネ募集とか多かったし入ろうと思ってる!』
女子生徒らの会話。
『運動いくか?』
『『良いね!』』
各々が会話している。
俺は周りのざわつきをよそに配られたプリントが机にあるのを思い出し、目を向ける。
『あれ?』
(プリント無くね?)
瞬冶の机にはプリントが無かった。
俺は疑問を抱いていると担任の方でパンッと音がなる。
『ちょっと静かに』
皆が注目し、会話が止んだ。
『プリントの書き方はその部活に行って先輩に聞いてもらった方が良いから!それでは今日はこれまで号令を!』
担任はいつも通り号令を頼む。
『起立、気をつけ。』
一同立ち上がる。
『礼!』
『『ありがとうございました。』』
ホームルームは終わった。
俺は紀亜へプリントのことについて話すため彼女の席へ近づいた。
『ねぇ、部長。プリント貰った?』
『瞬冶もだったのね。それが私も貰って無いのよー。』
紀亜も貰って無いらしい。
『これってそういう事ですか?』
俺は最悪のことを考える。
(まさか、、いじ。)
その瞬間、後方から俺と紀亜の肩をガシッと掴む手があった。
『お前らちょっとこい!』
担任だった。
変な空気がしているのを感じ瞬冶は不安だった。
(せっ、、説教ー?!)
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