第12話
[ たちまち訳あり女子 ]
海学校内、廊下。
部活動入部許可書のプリントが配布されて皆が喜ぶ中、二人の生徒だけはプリントが配布されて無かった。プリントが配布されなかったと不安がる瞬冶と紀亜の二人はその件について話していた。すると、担任の先生が二人の肩を掴んで別室へ連れて移動していた。
担当の後ろで俺と紀亜は小声で話す。
『部長さー、なんかやらかしたんじゃ?』
『私ー?無いわ!瞬冶の方でしょ。』
紀亜も不安そうだ。
『まぁまぁ、君等。そう不安そうにするな。ハハハッ!』
担任の顔は笑っていない。
『先生ー、全然笑ってないじゃないですかー!』
『あれ?これじゃダメなのか?同僚の中ではけっこう受けは良いんだけど。』
紀亜が担任へダメ出しをしたがあまり気にしていなかった。
『それ、多分良い意味の面白いじゃないかと。』
『え!私って面白い人って見られているのか?ガーン。』
担任は露骨に落ちこんだ。
それから話は続き、例の教室へ着いた。
『で、お話って何ですか?』
『そうだったな。何故、君達2人にはプリントが配られなかったかだったね。それは、、、』
瞬冶と紀亜は不安そうだ。
すると、教室の外から声がする。
『ちぃ先ー。待って下さーい。』
ドアを勢い良く開けるのは鶴城先輩だった。
『はぁーあ。あ、ちぃ先、私から話します。』
『おい、鶴城ー。下の名前で言うなよ。』
『すみません。』
担任と鶴城先輩は聞き覚えの無い名前の連呼していた。
『『ちいさんって?』』
紀亜と言葉が揃う。
『2人ともやっぱり気が合う。ちいと言う名前はそこにいる先生の名前だね。』
『だから、言うなってー。』
『『な、なるほど』』
先生のあだ名らしい。
『先生の名前、「柊千井・ひいらぎちい」先生の千井の部分だね』
『鶴城、もう今回だけだぞ。なら、任せるぞ?』
先生は鶴城の肩をトンッとした。
『はい!』
鶴城が話した内容は先日の件とプリントについてだった。
『なるほどー、僕達の勘違いでした。すみませんでした先生。クラスの他の人を恨んでしまいました。』
『誰にでも間違いはある、それをどう次に活かすかだよ。あ、私は鶴城から聞いたんだけど2人、生徒会にカチコミに行ったらしいな!』
数秒の間の後、俺は焦りつつ話をした。
『あ、あれは違うくて簡単に言うと部活動の設立をといきました!』
『瞬冶の言っている通りです。』
すると、俺と紀亜の話には反応してクスッと笑った。
『分かってる。私は君達の担任だぞ?出会ったばかりだからこの言葉には深みは無いがな、私は知っている。ま、2回もやらかす奴なんて前代未聞のだかな!』
鶴城はそのまま笑っていたが、瞬冶と紀亜は少し照れて笑っている。
『鶴城ー後は何かあるか?』
『いや、特には。まぁ先輩からのアドバイス!瞬冶、紀亜、頑張れー!』
『『はい!』』
俺と紀亜は鶴城先輩へ言葉を返した。
その後、鶴城は教室を去って担任と生徒2人は話していた。
『2人ともそのー、信頼について考えたか?』
『ま、まあまあです。』
『少しは。』
少し不安そうだ。
先生は手を鳴らし、2人を注目させた。
『君達に、蒼詩ふみについて気に掛けてやってくれ。』
『ふみちゃんですか?何故でしょうか?』
『クラスメイトの蒼詩さん?』
『そうだ。彼女の事でね、、、まぁ話してみるといい。』
2人には疑問が浮かんだ、一応は頷いた。
(な、何故?彼女が分からない。)
『では、これくらいで終わる。教室に戻っていい。』
『『はーい。』』
瞬冶と紀亜は教室から出る直前に魔が差した。
『ちい先生またね!』
『ちい先生どうもです。』
先生は少し力を溜めるようにした。
『下で呼ぶなー!』
『『はーい。』』
2人は逃げ去るように教室から出た。
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