第4話


教室内。

『えー、だからであってー。』

教室では授業が合っていた。

本校では1年生でも入ってすぐテストを受けないといけない事もあってか生徒達は黙々と授業を聞いていた。

キーンコーンッ。

(あぁ疲れたぁ)

授業終了合図の鐘がなると瞬冶は気が抜けてた。

『起立、気をつけ。』

一同立ち上がる。

『『ありがとうございました。』』

号令が終わり先生は教室から出る。

生徒達は各々準備や片付けを行う中、瞬冶は『はぁぁ』とひと息ついていた。

『なぁにダウンしてんだよっ!』

明が肩に手を置いてきた。

『ちょっと、キャパオーバーだ。』

『俺はピンピンしてるぜ!』

両椀の力こぶを魅せ、アピールしてくる。

『お前は寝てただろー』

明へ指で突くと、ギブアップを見せる。

瞬冶がギュルルとお腹を鳴ると力が緩んだ。

『飯にするか!』

二人は昼ご飯の弁当を出す。

ピンポンパンポンッ。

(なんだ?)

生徒等が放送に耳を傾ける。

『放送部でーす。お昼ご飯の時間ですので海学ミュージックをどうぞ。』

周囲はざわついている。

(面白そー。)

『アーティスト、かしすさんで「栄養の掛け合い」。』

(あ!この人知ってるわぁ、かしすさんだ。)

机を寄せ、明は弁当を広げる。

『瞬冶、飯くおうぜ!』

『うん』

二人は机を寄せ合って手を合わせていた。

『『いただきます』』

空腹だったのでバクバクと食べ進める。

瞬冶は明の方を見る。

(弁当だぁ)

『お前パンかよ』

『それがちがうんだよなぁ』

ニヤリと明を見つめると、スクールバッグを漁りもう一つ突き上げるように出す。

『これでパン2(つう)なんだよ』

『下ネタじゃん!』

楽しそうに食事していた。

(あの二人使えるな)

彼女は食事しつつ、彼らを見ていた。


昼食後の教室。

午前は座学があり、午後からは朝のホームの話であった例の部活動勧誘である。

クラスでは先生が注意喚起をしていた。

(ワクワク!)

瞬冶を含め、クラスメイトはソワソワしていた。

『これから部活動勧誘だ!さぁ海学伝統「勧誘魚群」に飲まれてこーい!』

『『はーい!』』

先生が楽しそうに始まりの宣言をした。

皆が教室を出ていく中、瞬冶は色々考えていた。

(伝統なんだ。で、何から見るかなー)

『瞬冶、行くぞ!』

『お、おう!』

明と二人で少し遅れて出た。

教室から一歩出でみると「勧誘魚群」と言われるだけあるレベルの人の多さと凄い熱気である。

『バスケ部どうですか?』

『みんなでサッカーしましょう!』

『野球部も忘れるなよ、バシッ。』

『陸上は誰でもー、ウェルカムRUN。』

運動の勧誘の生きは良い。

(やっぱり多い)

『瞬冶やっぱり多いな!』

『そうだな、こっちもドキドキするな。』

周りがざわつき、空気が揺らぐ。

『来た来た!』

『あれが!』

『すげぇ!』

皆の視線の先には楽器を持つ生徒らがいた。

『せーの!』

トランペット、ドラム、そして、バイオリンの音が生徒によって奏でられている。混じり合っている。8から10は部員はいるだろう。廊下を堂々と楽器をひく姿はとても圧と一貫性、美しいさを感じる。先頭は指揮者でタイミングを取っている。

次の瞬間、突き上げた手を急速落下させそれに合わせ音色は止まった。

(す、すげぇ)

瞬冶は演奏を深く感じていた。

すると、周りでは自然と拍手が起こる。

代表者の最上級生が『ありがとうございました』に連れて他の演奏者と揃え『『っしたぁー』』と声が揃う。

この場を支配(持っていった)と言えるだろう。

『吹奏楽で一緒に奏でよう!』

言い放った。

その後も勧誘魚群は続いた。

『茶道をご覧になって。』

『どうもー、放送部でーす!』

『漫画研究部で書きません?』

色々な部活の勧誘は活発で、運動部・文化部どちらも負けてないのだ。

(これが海学かぁ、毎度わくわくする!)

瞬間達は色々な期待を膨らませていた。

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