7月31日(午後2時30分)こんにちは

俺は、今さっきの場所に戻った。湖の方を見て、いないかなと探しているとまだ水浴びをしている子がいた。よほど、水浴びが好きなようだ。俺は、バレなようにじっと隠れて見ていると、目が合ったような気がした。

「バレたか?いやぁ、まさかな。」

俺はそう思いつつ、息を潜めているとこちらに来ているような気がした。いや、これは気のせいじゃないな。相手は、こちらに気づいている。そう思ったのが遅かったのか、気づいたら目の前にいた。

「あはは、こんにちは。今日はいい天気ですね〜」

俺は、適当に誤魔化そうとしていた。

「変態」

「うぉーいちょっと待った!俺は、ただ見ていただけだろ!」

「それを変態と言うんだ。分かったか変態?」

「ぐうの音も出ない」

俺は、土下座をした。それは、綺麗なフォームで。

俺は、数秒そのままにしていると、

「まぁ、今回だけは許してやろう。君、名前は?」

「俺は、ジュン」

「ジュンか、分かった。君のことは金輪際忘れないだろう」

「忘れて欲しいです」

「忘れるわけないだろ?この変態」

うぐぅ。美人に変態と言われるのはご褒美だと誰が言っていたが、そんな訳ないやん。キツイって。悲しいって、、、

そんな事を思っていると、突如頭が冷たく感じた。

こうぽつぽつと

「うん?雨か?」

俺が顔を見あげると、ザーといきなり降ってきた。

「うわぁー雨だ雨だ!水浴びみたいだな!」

「そんな訳ないだろ!風邪ひくぞ!」

ゴロゴロと雷の音もする。俺は、ここが木しか無い自然豊かな所だと思い出して、頭の回転を回し、近くに屋根付きバス停があったのを思い出した。

雨だ雨だと喜んでいる彼女に言った。

「雨はいいんだが、雷の音がする。木に雷は落ちやすいから避難しよう。ついてくるか?」

「おぉ〜君は案外役にたつな」

「案外で悪かったよ」

俺は、彼女の手を握り急いでバス停まで走った。



「フゥ〜疲れたな。また水浴びをするはめになるとは」

「俺は別にしたくなんかなかったけどな」

「でも、君は水浴びしてる私の事を見ていただろ?君もしたかったんじゃないのか?」

彼女はニヤニヤとイタズラをしそうな目でそう言ってきた。

「違うよ」

「じゃあなんで見てたんだ?」

「恥ずかしいから言えないな」

「ふーん恥ずかしい事なのか?」

「もう、やめてくれ」

彼女は、「ふふふ」と笑いながら俺に質問攻めしてきた。

「いやぁ、君は面白いやつだな。からかいがある。」

「はぁ、そうですか」

俺は、質問攻めでげっそりしてしまった

「ふふふ、特別に私の事を質問していいぞ」

「じゃあ、君の名前は」

「ん?言ってなかったか?私の名前はアーサー・イザベラと言う」

「イザベラってことはやっぱり外国人?」

「私もそうだと思っているんだがな、生まれ故郷も日本だからな。両親も私が物心をつくまでに何故か失踪しているんだ。変な話だよな」

「なにそれ、怖」

「私は小さい時からここら辺の祖母の家に住んでいるんだ」

ふーん生まれ故郷は日本だが、絶対に外国の人だよな。親は一体なんなんだろうか

「そんな事より雨でびしょびしょだな。私は水着を着ているから平気だが君は平気かい?」

「いや、風邪ひきそうだな。夏なのに寒い」

「うーん上着を貸してやりたい所だが私も寒いんでね、我慢してくれ」

「気持ちだけ受け取っとく。ありがとう」

「それより、君は日本のアニメについて色々知ってるかい?」

「まぁ、見るよ」

「だったら色々教えてくれよ。祖母の家だといつもニュースか野球しかやってなくて飽き飽きしていた所なんだ」

俺は、最近のお気に入りのアニメやゲームの話をした。そんなどーでもいい話をしていると雨があがった。ゲリラ豪雨的なものだったらしい。

「んじゃ、そろそろ帰るとするよ」

「また会ったら色々教えてくれよな」

「はいはい」

俺は帰路にたつと、イザベラは「走れ走れ!」と言いながら帰って行った。俺がスマホのゲームを教えたからなのだろうか。

「あ〜初日から風邪ひきそうだな」

ファックションと大きなくしゃみをして家に帰った


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