七章 自分との決戦 ーそして空へ。

地上へ着くと、妹と友達は驚いた表情を見せた。

でも、すぐに俺の気持ちを理解して、俺の方へ微笑んだ。

さすが俺の仲間たちだなと笑っていると、彼女が叫んだ。

叫んだ方を見ると、これまでとは比べ物にならないくらいの、禍々しい、本当に"魔物"と呼ぶべき存在があった。

辺りが一面焼けこげた中、俺が一歩一歩、魔物の方へと近づいていく。

すると、魔物は姿を変えた。

そう、それは過去の俺だった。

そいつは俺の方に向かって、突進してきやがった。

俺もすぐに臨戦体制に入り、お互いがお互いの首元を掴む形で取っ組み合いになった。

そして、過去の俺が俺にこう言った。

「許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない」と。

俺は、一瞬心の奥底が苦しくなった。

その時、彼女が「頑張れ!」と言った。

それを聞いて俺は確信した顔で、

「うるせぇ!」と奴の顔を思い切りぶん殴ってやった。

「何が許さない!だよ!

何がどうしようも出来なかっただよ!

何が全部俺のせいなんだよ!

そうやって、ずっとずっとずぅーーーっと自分を卑下し続けて、何を得れる!?

何に繋がる!?

何もできなかったのなら、その悔しさをバネに次に活かせるとか考えねえのかよ!

許さない?そんなことばっか言い続けても、何も進まねえんだよ!」

そう言うと、過去の俺が泣きながら膝をついて、俺に尋ねてきた。

「じゃア、ドウしたラよカッタの?」と。

俺はこう言ってやった。

「何もしなくて良いんだよ。

 お前は十分やった。

 見てみろよ、彼女本人が

 そう言ってるんだから。」

と彼女の方を向くと、彼女はニッと微笑んだ。

すると、過去の俺は、

「ソウだったんダ、ヨカッタ。」

と言って、空へと消えていった。

これで一件落着か、そう思っていると、彼女や妹、そして友達が薄く光だした。

大丈夫か!?と俺が心配して言うと、友達が

「いや、多分これで良いんだ。

この世界も役目を終えて、 

眠ろうとしているんだよ。」と言った。

「ってことは、みんなが消えちゃうってこと…?」と俺が言うと、

「違うよ、

私達は彼女と"君"の心の中で生き続ける。

だからきっと、私達のこと忘れないでね。」

と妹が言った。

次の瞬間、2人は眩く光りながら空へと消えていった。

俺は声もあげずに泣いていた。

しばらくすると、

「もうお別れの時間かな」と彼女が言った。

そして、俺達は再び満月の方へと向かった。

「本当にありがとう、じゃあね。」

と彼女が手を振る。

俺は何も言わずに、そっと口付けをして、元の世界へと帰っていった。

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