第4話 ⑷


黒いものがわたしをすっぽりと包みこむのを感じた、その時だった。


来た。


でも窓に近づいてはこない。


どうしてそんな遠いところにいるの? ほら、おもてなしの準備は見えるでしょ?


わたしは離れたところを舞っている鳥に目を凝らし、心臓が止まりそうになった。


なんだろう、あのまとわりついているものは。


見慣れない、ひとつも魅力が無い、ちっとも似つかわしくないものは。


わたしのお客様に わたしのしらない不愉快なものがまとわりついている。


ゆるせない


なにもかも


わたしにこんな思いをさせるものを、わたしはゆるさない。


あなたがわるいのだ


あなたを待ち続けていた者に、こんなにひどい仕打ちをしたのだから。

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