第3話 ⑶


 おかしい。


 わたしが窓辺に置いたものを、いつまで待ってもついばみに来ない。


 あれこれ考えて、あのきれいな鳥が好きなものをたくさん用意したのに。


 がんばりすぎて、少し早まったのかもしれない。


 すぐには戻れない そんなことだってあるだろう


 でもこれを見れば、きっと後悔するはずだ。


 なんてすてきなもてなしなんだろう。ああ、もっと早く戻ってくればよかった。


 わたしは身じろぎひとつせず、窓の外を見続けている。


 ほら、いまにもあのきれいな羽根が 窓の外に舞い降りる。


 つぶらな目がすまなそうに わたしの方を見つめる。


 でも、鳥はなかなか現れない。


 なぜこないのだ。


 来るはずなのに。


 わたしのことを知らないはずがないのに。


 あり得ない。ゆるせない。


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