第3話 恵美の好きな人
「私の好きな人は――」
謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑くるな謙佑く
「山江くんだよ」
キター!!!!最悪すぎるマジで酷すぎるって!!私はなにか酷いことしたのかな!?こんな負け確イベント現実にはいらないよ!
何も知らなかった時のあの日常はもう戻ってこない??
ていうか謙佑とのL〇NEの話とかすごく喋った記憶あるよ?ヤバいって
なんとライバルでした〜 なんて思わないってキツすぎる
なんて思ってても会話は続けないといけないのです
「このクラスの?どこを好きになったの?笑」
「えー?そこも言うの??」
「もち。3個ぐらいは欲しいな〜」
「んーとね、まず目を見て話を聞いてくれるところと、周りによく気を配ってるところ、あとは私のことを等身大で見てくれること、とかかなぁ?」
顔を真っ赤にした恵美は、そう言いながら手を顔に当てている
え、私よりしっかり好意点述べられてる〜
しかもすごい好きなんだろうなって分かるぐらい顔真っ赤よ?
もうこれ両片思いだ。小説でよく見る焦れったいやつ
「きゃ〜うちの恵美が可愛すぎるんですけど〜!」
「ちょっと揶揄わないでよ〜」
「いや、本当に可愛かったからさ。その感じだとLI〇Eとかまだ交換してないの?」
「いや、交換自体はしてるよ?会話はしたことないけど」
はぁ〜、謙佑勇気出せよ〜
ふたりが早く付き合ってたらこんな感情抱かなくて済んだのに
自分勝手なのは自覚してるけど、心の中ぐらいは許して欲しい。でないとこの感情全部外に出ちゃうし、現実直視で何も出来なくなる予感しかない
「え、じゃあ表に出ないように交流できるじゃん」
「でも、話すことないし、選択科目違うし」
「あ、なら私のスマホの電源が切れたってことにして、今日実験あるのか聞いてっ!」
実際はないけどね〜
「……なんか今日強引すぎない?何かあった??」
確かに強引に行き過ぎたか
でもこうでもしないと約束を果たせないって思っちゃったんだよ
「いやさ、今までそんなこと知らなくてすごくLINEの話したのが結構心にキてて、挽回しようとちょっと必死になった感じは否めないかな。あと、恵美の好きな人確かに言い過ぎてるわ、ごめん」
自分の感情に他者が入ってきて欲しくないもんね、さすがに踏み込みすぎたか
私が少し俯いていると、恵美は笑いながら話しかけてくれた
「…応援してくれるのは嬉しいけど、私にも私なりの矜恃があるからあまり張り切りすぎないで欲しいかな。想いは十分伝わったよ、ありがとう」
女神や、女神がここにおる!恵美は本当にグレートな人間だね!
でも応援はしてないし、そんな想いなんて持ってないのよ。むしろすれ違って付き合わなければいいのにって思ってるよ
最低なのは理解してる。感情ってほんとに難しいな
「すぅはぁ……よし!
では、鈴木上官の助言を受けて今日よりあの人と良いお付き合いができるよう行動を開始します。定期報告は毎週月曜日、行き詰まった時はお手数ですか助言をして頂きたく存じます」
えー!今はっちゃけてくれるの!?
私が落ち込んでると思ってやってくれてるの、好き
「助言の件、了解した。健闘を祈る」
でも定期報告はキツいって…
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