一章 龍の戦士編
明るい仲間
イゼは疑問に思ったことがあった。ゼロは人間なのか?それとも異種族なのか?普通の人間ならばあの状況から脱出なんて無理だろう。さっき戦闘中に刀のことを龍刀と呼んでいた。もしかして零世界最強の種族、龍種族なのでは!?とイゼは考えていた。
イゼ「ねぇ!ゼロってもしかして龍種族だったりする?さっき刀のことを龍刀って呼んでたからもしかしてって思って!」
ゼロ「俺は人間だ。」
イゼ「えぇ~!?」
イゼには失礼なとこが一つある。それは良くも悪くも口にすぐ出てしまうところだ。普通の者なら勝手に期待しないでいただきたいと考えてしまうだろう。
ゼロ「俺は生まれつき、龍の魂が身体に宿っている。」
イゼ「えぇぇぇぇ~!?」
今回は普通の者ではなかったらしい。
イゼ「龍の魂が宿ってるって、どういう経緯でわかったの?」
ゼロ「………」
イゼ「無視しないでよ~!」
今回は話すのはお預けされてしまったようだ。
ゼロ「そういえば、身体の方は大丈夫なのか?イゼ」
イゼ「心配してくれるなんてやっさし~!さっきはアイツがいたからできなかったけど、さっきさりげなく治癒魔術を使っといたから!あと、ゼロにも治癒魔術使っといたわ!万が一ってこともあるでしょ!」
よく喋る女性だ。けどとても優しい人なのだろうと話しあって感じた。
ゼロ「優しいんだな。イゼ。」
イゼ「助けてもらったんだからこれぐらい当たり前だよ~!」
ゼロ「ありがとう。俺はそろそろ旅の続きをするよ。」
イゼ「旅の続き?」
ゼロ「…悪種族の最上位地位、名のある悪。ソイツらの中でも選ばれた七人だけがなれる七大悪を殺すため俺は旅をしている。そうすれば、少しは平和を取り戻すための一歩を得られる。」
イゼは話している彼の表情を見て「本気」だということを感じ取った。そして、イゼもある決心をした。
イゼ「ねぇ、私もその旅ついて行っていいかしら?」
ゼロ「おい…死と隣り合わせの旅だぞ?」
イゼ「わかってるわよ!ゼロの言う平和を私も一緒に取り戻したくなってきたのよ!」
本当はゼロと一緒にいれば楽しそうだからなんだけどそれは私の秘密♪
ゼロ「はぁ…死んでも知らないぞ。」
イゼ「私、結構強いのよ!」
こうして二人の旅は始まった。
ゼロ「俺達は今から、太陽国サンを目指す。その国の国王が七大悪の一人という噂を耳にしたんだ。」
イゼ「どれくらいで着くのかしら?」
ゼロ「三日間歩き続ける。」
イゼ「三日間!?」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
言葉の通りだった。山道だろうと崖っぷちの道だろうと焼け野原だろうと歩き続けた。イゼにとって地獄の三日間となった。
イゼ「つ、着いた…もう動けなーい!休憩無しで三日間歩き続けるなんて流石に死ぬわよ!?」
太陽国サンの入口門の前で大の字になり倒れている。それもそのはずだ。三日間歩き続けて脚がもうガクガクだった。
ゼロ「確かに休憩するべきだった。すまなかった。」
ゼロはいつも通りだった。イゼは15歳の少年に体力負けしたのだ。
イゼ「ま、まぁ!本当は全然大丈夫よ!た、た、体力もまだいーっぱいあるわ!」
生まれたての子鹿のようとはこのことを言うのだろう。ゼロは金貨が何十枚か入った袋を渡しイゼに言った。
ゼロ「先に宿で休んでいてくれ。俺の部屋とイゼの部屋の分がこの袋に入ってる。俺はこの国を少し探索する。」
そう言うとゼロは国に入り探索を始めた。
イゼ「ちょ、ちょっと!?私の分まで払わなくていいってばぁ~!!」
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