第3話──5


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「空似さん、お疲れさまーっす! まだ待ち合わせ十五分前なのに早いっすねぇー。さすが疾風迅雷の雷ソングガールの空似ライメイさんっす!」

「お、お疲れ様です、猫飼さん。きょ、今日はよろしくお願いします……!」

「肩に力入っちゃってるっすかー? そんな構えなくても大丈夫! とって食べたりしないっすから。今日はリスナーさんからの質問回答も交えつつ楽しく雑談しよーって感じでリラックスしてもらっても大丈夫っす!」

「は、はい……! 頑張ります……!」

「あははっ、頑張ったら余計に力入っちゃうっすよー! 頑張らないでー」

 今回の雑談コラボのために用意してもらっていたDiscordのサーバーに入ると、すぐに主である猫飼ミゲルがやってきてくれた。ほんのり高めのハイトーンだが、耳に痛くない柔らかさを纏っていて活舌もよく聞き取りやすい。えなも好きな声色だった。よく声優さんのようだとも評されている。

 Vtuberである彼女の姿は猫というよりは、頭部に有したケモミミが長く狐に似たフォルムをしている。背中からはみ出した尻尾もこんもりとしていて狐っぽい。「狐じゃね?」「狐じゃねっす! ソマリ猫っす!」というコメントとのやりとりが常套句になっている。

 彼女の活動は主にゲームというよりは今のえなたちのように誰か気になる人を招いてサシでの対談企画をしたり、多人数をゲストにして一つの話題を掘り下げて楽しむ「会話」をエンターテインメントの中心に添えたスタイルだ。司会として場を回す能力も高く、企画も面白いと視聴者からも評判が高い。

 正直あまり初対面の人との会話力に自信がないえなには、彼女が相手というだけでだいぶこの雑談コラボ配信への不安が抑えられている。事実、今も彼女がフレンドリーに接してくれるおかげで心臓バクバクでサーバーに入って来た緊張も少しずつほぐれてきた気がする。大先輩として聳え立つ高い壁を感じさせないその柔らかな姿勢のおかげだ。

 よしかは……小春はどうなのだろう。えながちらりと横を向くと、小春がマイクの方に近づいて声を発した。

「あ、あの……おつ、お疲れ様です、猫飼、センパイ……?」

「あれ、そめいさん? ……もしかして、二人オフっすか? すごい、そんなの初めてっす。ほんとに仲いいんすねぇ」

「まあ、そうですかね……? まあ今日はこんな感じでよろしくお願いします……」

「よろしくっす! じゃあちょっと早めですけど、今日の配信の最終チェックいいっすか? 視聴者さんから募った質問内容、こんな順番で出していくんですけど。改めてNGとかあったら……」

 驚かれるかと思ったが、ミゲルは微笑ましそうにさらりと受け入れてくれてそのまま自然に打ち合わせへと舵を切ってくれた。

 小春はデスクに前のめりになりながら、スピーカーから聞こえてくるミゲルの話に熱心に耳を傾け相槌を打っていた。このコラボで一番気合も力も入っているのは彼女かもしれない。

 もっとリラックス、という意味合いを兼ねて彼女の肩を軽く叩いてやる。彼女は一瞬びっくりして椅子の上で軽く飛び上がり、「もお、わかってるよぉ」という表情で微笑んでくる。ぎこちないが、ちゃんと笑えている。その笑みにドギマギさせられつつ、こちらも負けていられないとえなも気を引き締め直す。

 小春は今、えなの家に来ていた。彼女はえなが居間から持ってきた簡易的な椅子に腰を下ろし、防音室の中で所狭しとえなと肩を並べている。

 何でこの状況かと言うと、コラボ当日になって二人して落ち着かなくて起きてからもずっとそわそわしていたからだ。

 何をしても今日のコラボのことが浮かんで手につかない。スマホを用もなく眺めていたえなは、Discordのよしかのアイコンをタッチしていた。

 一人だけでこのままコラボ配信の時間まで耐えきれる気がしない。今からでも彼女と、オフで一緒にいられたらどれだけ心強いことか、とずっと苦悶していた。お誘いのメッセージを送ろうとして、いや当日に迷惑だよな……と思い留まってを繰り返していた。

 こういうどっちつかずのところがダメなんじゃろがい、決める時はびしっと決めろあたし。そう自分を鼓舞していたら、先に小春の方からメッセージが飛んできた。

『センパーイ! 今夜のコラボ配信、一人じゃめちゃくちゃ不安だよー! オフで一緒にやらない? この前のスタジオ使ってさ!』

 先に向こうが限界を迎えたようだ。微笑ましく思いつつ向こうに連絡を返し、今日のコラボはオフですることになったのだ。

 しかしその日のうちにスタジオを確保するのはなかなかに至難なことで、近場のスタジオは全て埋まってしまっていた。

 もう当初の予定通りオンで回線を隔てたまま臨もうかと小春の方から申し訳無さそうに言われた時、とっさにえなは口走ってしまっていた。

『それなら、うちでどう? 防音室あるし、ちょっと狭いけど二人入れないことないよ』

 そう提案してからこれやばくないか……? と不安になったが後の祭り。小春は嬉しそうな声で受け入れてくれて、今に至る。結局最初にオフコラボしたスタジオより狭い場所で彼女と間近の位置で配信をすることになった。いい香りと綺麗な横顔にうっとりしそうになるのを今日は何回堪えなければならないだろう。そんな余裕はないだろうか。とにかく集中だ。

「よし、じゃあこんな感じで本番もよろしくお願いしまーす! いやぁ、お二人の集合が早かったおかげで、根詰めてちゃんと最終チェック出来ましたっす。感謝感謝っす!」

「こちらこそありがとうございます。よろしくお願いします。猫飼さんがリードしてくれたおかげで本番もすごく話が弾みそうで楽しみです!」

「えへへぇ、照れるっすよぉ空似さーん。お二人に楽しくお話していただけたら企画者冥利に尽きるっす! 最後まで空似さんもそめいさんも、そして視聴者のみんなもわくわくでハピハッピーな時間をお届けするっすよー!」

「わ、私……よ、よしかも頑張るます! じゃなかった……頑張れます! いや、頑張りまっす!」

「あっひゃっひゃっ、そめいさんめっちゃ噛んでるっす! 頑張んなくても大丈夫っすよ! ボクも視聴者のみんなも、肩の力が抜けた素のままのそめいさんたちを堪能したいんっすから!」

 フレンドリーに笑いかけるミゲルの雰囲気づくりのおかげで、小春も勇みすぎている自分に気づき、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。

「……大丈夫だよ、よしか。変に緊張しなくても。ミゲルさんがフォローしてくれるし、あたしも出来るだけ力になるから。……いやあたしも結構緊張してるけど。初めてだもんねこういう外部コラボ」

「もぉ、センパイ。せっかく頼りにしようとしたのに、センパイもドキドキなんじゃん。……でも一緒なら大丈夫だよね。見てる人も、楽しんでくれたらいいな」

 ガチガチなえなの様子に、小春も力が抜けたように吹き出した。いい感じで緊張をほぐせたかもしれない。

 初めての大御所とのコラボなのだから不安になって当然だ。普段自分たちをみてくれている人たちとは別の人が大勢見てくれるかもしれない。それは喜ばしいことだけれど、懸念事項でもある。

『ミゲるん、今回の対談コラボの相手純粋なVってよりは生身のあるアバターを使った疑似Vってことでしょ? そんなん世界観クラッシャーじゃんね?』

 今回のコラボタグをエゴサしていたら、好意的なポストも多い反面、こういう批判的なものも見て取れた。

 もちろん自分たちに肯定的な人たちばかり増えてほしいなんて思っちゃいない。こういう活動に様々な意見はつきものだ。ましてや自分たちのようにまだ名前を知れ渡っていないような配信者なら尚更だろう。

 なら今回の配信で、普段自分たちを観ていない人たちにも知ってもらう。爪痕を残してやる。

 そして少しでも小春に、よしかとしてこの時間を楽しんでもらう。彼女の活動の幅を広げられるように。そわそわしている彼女の横顔をちらり眺めて、えなは密かに決心する。

「よし、じゃあそろそろ蓋絵開けるっすねー! ボクが紹介したらお二人マイクをオンにしてくださいっすー! よろしくっすー!」

 ミゲルがDiscord越しに伝えてきた。えなたちはマイクをミュートにして待機する。いよいよ始まった。音を切って見ていた配信画面では音楽が切り替わって、ミゲルが画面に現れた。立った耳にふわふわのしっぽ、ちんまりした体躯にまんまるとした眼差しは確かに狐にも猫にも見える。本人曰くソマリという猫種らしい。

「みなさーん、ごきげんようっすー! ソマリ猫VTuberの猫飼ミゲルっすー! 今夜の対談コラボ、素敵なゲストの方々招いてますよー! いつもはサシでのコラボが多いっすけどぉ、今日は何とお二方のコンビにお越しいただいておりまーっす!」

 ミゲルがこちらにバトンを渡してくれる。えなは小春と至近距離で頷き合うと、マイクをオンにした。手筈は整えてある。先陣を切るのはえなだ。

「あなたの鼓膜に疾風迅雷お届けします。レゲボゲ所属Vシンガーの空似ライメイでーす!」

 元気よく雷が突っ切るように挨拶を放つ。そして? と素早く小春にマイクを差し向けると、彼女はあたふたと口を切った。

「あえ、えと、同じくレゲボゲ所属クソガキ担当のそめいよしかだにょ! よろしくどうじょ!」

 助走で躓いた彼女は二段階に分けて噛み倒す。やっべ、という表情になった小春に、すかさずえなは割って入った。

「あっはは。よしかってばめっちゃ噛み噛みじゃん。いつもの滑らかな調子乗りはどうしたのかなー?」

「う、うるさいなぁ……! ちょっとジャンプに失敗しちゃっただけなんだけど! それに噛んでるくらいが可愛いでしょ、よしかの場合はっ」

「初っ端の芸術的な噛み具合からのコントへの移行、これは阿吽の呼吸っすねー! お二人はコンビ歴も長いんすかー?」

「よしかがデビューしてからずっとだから、半年くらいですね。お互い一人で好きな配信もしてるんですけど、コンビでやる配信がある意味うちの名物になってる感じです。ね、よしか」

「センパイが一人じゃ心細そうだから、仕方なくよしかが人肌脱いであげてるんだけどぉ? もっとよしかっていう強大な存在のありがたみ、噛み締めちゃった方がいいよぉセンパイ?」

「おおー、これまた芸術点高めのメスガキっぷりっすねぇ。お見事っす! さすが今メスガキ界隈のフロアを沸かせまくってるだけはありますねぇ、よしかさん!」

「メスガキじゃないですぅ! これがよしかの素なの! てかそんな界隈沸かせた覚えもないッ!」

 ミゲルはもう完全によしかの乗りこなし方を心得たようで存分にその魅力を発揮させている。よしかも早速スイッチが入ったようで、かなりいい滑り出しだった。一度エンジンが掛かれば、彼女は緊張とか不安とかそんな些末なものはぶっちぎって走り出す。この子はそういう子だった。あたしのアシストなんか必要なく、彼女は的確に的を撃ち抜ける。隣のきらきら瞳を輝かせた小春を見て思い出す。

「じゃあ場もあったまってきたところで、さっそく視聴者さんたちから募った質問に答えていただきまショー! 第一問! お互いが思う、自分の先輩、後輩のいいところは?」

「この子、よしかって普段こんな感じだけれど、意外としっかりしてるっていうか頼りになるところあるんですよ。この前、二人で水族館に遊びに行った時のことなんですけど、この子駅で迷いそうになったあたしのこと手を引いて目的地まで案内してくれて……」

「ほぉー! 二人でお出掛け! これはてぇてぇポイント加算っすねぇ! 一緒にお出掛けするほど仲がよろしいということで。ちなみに今も、お二人だけオフコラボでやらせていただいておりまぁす!」

「センパイ、営業妨害! 営業妨害! いやそういう営業やってないしよしかは常に頼りになるけど! てかミゲルさん、よしかたちのオフコラボ一大イベントみたいに紹介しないで!」

「いやいや皆さんお二人のてぇてぇを摂取しに来てますからね今日は! じゃあさっき空似さんが言ってた、二人で水族館へのエピソードトーク、詳しくお願いしまっす!」

 初っ端、ミゲルの的確な誘導により自分たちのジョーカーでもある水族館に一緒に行った話を切り出せた。開幕で一番視聴者が多い状況でこの話題を出せたのは嬉しいし、この後の質問でもエピソードを小出しにしていける。

 これで小春が懸念していた自分のリアルの姿が炙り出てしまうような事態は避けられるはずだ。自分たちのことを知らない人たちに知ってもらうための対談コラボだということは知っているが、見ている人たちが求めているのはインターネット上のそれのはずだ。

 リアルの小春は、自分だけの独り占め。少しいじわるにそう考えてしまった自分に、少しえなは驚く。

(すごい……。いっぱい観に来てくれてるな。みんな、楽しんでくれてるかな……)

 ミゲルの質問に一つ一つ丁寧に掘り下げて受け答えつつ、えなは配信の状況も確認する。視聴者数は一万人を超えていた。普段の自分たちの視聴者数の十倍くらい。すごい。これがずっと長い間、配信を続けてきた人の重みなんだろうと思う。

 自分たちもいつか、これだけたくさんの人達を随時楽しませることが出来るまでになるだろうか。なりたい、なってやる。よしかと、小春と一緒に。新しい展望が差し込んで来た気がした。ネットの頂上。そこに至る片道切符のひとかけら。

「では次の質問! そめいさんは結構なゲーム好きのようですが、自分にとって思い出深いゲームとかってあるっすかー?」

 ミゲルの質問が次に移る。これはよしかとして配信で初めてやったゲームが挙がる予定だった。ローグライクゲームが逸るきっかけになったゲーム、それのリメイク版だ。

 しょっぱなから夜、明け方までの十時間以上の長距離ランニングで、えなはとんでもない新人が入って来たと度肝を抜かれたのを覚えている。それからえな自身も耐久配信などと向き合うようになって、自分の配信者としてのスタンスを見直すことになった大事な岐路だったと思う。

「思い出深いゲームかぁ。昔、朝から晩までやってたスーパーマリオRPGかなぁ。単純にRPGとして面白いのと、やってた当初はわかってなかったけど、結構大人向けのディープなネタが多いのも今でも好きかも!」

「おー、思ったよりレトロなところ行きますっすねぇ! ボクも知ってるっす! 確かスーファミでしたよね?」

「そうそう」と楽し気に小春がミゲルの言葉に頷き返したので、えなははっとなる。スーファミって、結構昔のゲーム機なんじゃ……。

『よしかその答えまずくない?』

 思い出深いゲームのエピソードを語り続けている小春に、えなは素早くメモ帳に書いた文章を見せる。小春はそれに目を通したが、口元に人差し指をあてがっていたずらっぽく微笑み返してきた。

 任せとけ、という意味なのだろう。彼女の自信ありげな様子から、今のは誤った回答じゃなかったのだ。

(大丈夫かな……)

 えなが不安そうに見守る反面、小春の語り口調は淀みなくすらすらと好きなゲームの魅力を語る。ミゲルの的確な相槌や聞き返しもあって、いつもより饒舌になっているようだ。こういう時彼女は話を簡潔にわかりやすく伝えられるので、そのゲームが何がどんな風に面白いのか、えなもよくわかった。

「でもそめいさんがレトロゲームが好きなのは意外っすねぇ。メスガキだし、最近はFPSとか新しいゲームをいっぱいやりこんでる印象だったっす!」

「メスガキは余計なんですけどっ。今はレトロゲームでもリメイクとか最新機でも当時のままプレイできるサービスとかもあって気軽に手を出しやすいからね。よしかは新旧関係なく、ゲームを愛してるもん! 時代世代関係なく好きなゲームをこれからもやっていくよ!」

 まっすぐにそう言い放った小春の目には、迷いなくぶれない光が灯っているように見えた。

 そこに、彼女の新しい決意が感じられた気がする。よしかはよしからしく。好きなことを、とことん。そんな想いが。


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「いやー、今日はお二人の貴重なお話も聞けて、とても楽しかったっすよー! コメント欄もめちゃくちゃ盛り上がったし、またぜひ別の企画でもよろしくお願いしますっすねー!」

 対談コラボが無事に終了し、最後にミゲルと挨拶を交わし合ってDiscordのサーバーから別れた。

 ミゲルが聞き上手だったのもあって、思った以上に楽しく気さくに話せたと思う。同時接続も一万前後をキープしたままで、コメントも多く、結構な手ごたえを感じた。小春とえなのチャンネル登録者数も明らかに増え始めている。

 ただ一つ、えなは小春に確認しておかなければいけないことがあった。

「センパイ、お疲れ様。急におうちに押し掛けることになっちゃってごめんね。でもおかげで、すっごくやりやすかったよ。ありがとね」

 興が乗って色々語ったおかげか、ほんのり汗ばんだ小春が微笑みかけてきた色香にくらっとさせられつつも、何とかえなは彼女を見つめ返しながら口を開けた。

「でもよしか、大丈夫だったの? リアルのこと、その、発言から探られたりするのなるべく避けたかったようにあたしは感じてたけど……」

「ああ、思い出のゲームの話とか? いいんだ。ちょっと前まではすごく気にしてたけど、案外平気かもって思えてきたんだ。センパイと、水族館に一緒に行けてから」

 そう話した小春は、ほんのり嬉しさを内側に秘めるように控えめに微笑んだ。初めて見る表情に、魅入ってしまう。まるで年端のいかない無邪気な子供が、初めて広い世界に触れて大人へと一歩踏み出したような、そんな笑みだった。

「私がよしかとして、小春としてありのまま振舞っても、ちゃんと受け入れてくれる人がいる。そういう人もちゃんといてくれることがわかったから。……センパイみたいな、物好き」

「よし……小春さん」

「こっちの名前でもさんとか付けないでいいよ。センパイは、センパイなんだから。ね?」

 彼女の笑顔はすぐ快活そうなものになる。一瞬、このまま彼女を抱き寄せてしまいたい衝動に駆られた。自分のことを頼りにしてくれた彼女に、愛おしさが溢れてしまいそうになる。

 でも、えなは必死にその想いを胸へと留めた。そんなことを今したら、きっと彼女を傷つけてしまう。彼女はただ純粋に、自分をいい先輩だと信じて疑っていないのだ。

 違う。そうじゃない。自分は邪な感情をひたすら隠して、善人のマスクを付けているに過ぎない。

(あたしが優しいのは、小春だけなんだよ……?)

 心の中で、初めて彼女の名前だけを呼んだ。

 また善人の振りをして、えなは小春に笑い返す。

「買い被りすぎだよ。でも、ありがとね。さ、お腹空いたね。ちょっと遅いけどどこかで晩御飯食べよっか。何食べたい?」

「な、なるべく胃もたれしなさそうな、もの……!」

「すごい切実そうなリクエスト来たね……」

 二人でわいわいと話し合いながら、防音室を出ていく。

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