第5話「暗い部屋」
キーンコーンカーンコーン
チャイムがなると同時に翼は立ち上がり、僕に向かってきた。
「お前のせいで俺の作戦がまる崩れじゃねえか。醜いアヒルちゃんが。」
サッ
翼の足が僕の体を通り過ぎる。
ドンッ!
翼が机を倒す。
その音で僕は目を閉じる。
その時だった。
「光!」
と翔琉の声とドン!という大きな音が教室に響く。
「ん…」
目を開けるとそこは暗い場所だった。目を隠されているのか。
何か違和感がして頰を右手でなぞると血が滲む感触がした。足は締め付けられていて動けない。
…今、何時なんだ?
ガチャ
そう思った時、何処かのドアが開く音がした。
コンッコンッコンッ
誰かがこちらに近づいてくる。
「まだ2日目だしお前が消えても誰も分かんねえだろうよ!だって、醜いアヒルちゃんだからな!!」
ブンッ
何かを振るような音…
殴られる。!!
ドンッ!
「痛って」
翼の声の位置が僕と同じになる。
「やっべー。やっちまった!」
聞いたことのない声が聞こえた。
バッ
あたりが明るくなってその人の顔が見える。
「いやー。意外とすげえな」
「あの翼の蹴りを一発避けるなんてなー。」
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