Habra knight head

エリー.ファー

Habra knight head

「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「真夜中がいい」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「太った行商人が、最も恐怖に近いのだ」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「煙草の香りがする。夢に近い」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「ハンマーで夢を壊してくれ」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「ここには娘はいません。さようなら、さようなら」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「ゾンビになりたいのです。いかがですか」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「嘘をつかないで下さい。お願いします。あなたも私も使者なのです」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「烏でしょう」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「どうか、勘違いしないように。では、さようなら」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「蝋燭を知っておいて下さい」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「大きな嘘をついてから、死にたい。誰にも見られたくない」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「どうか、ご注意を」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「巨大な貴族が、死ぬこともできずに村を彷徨っている」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「シビアな死を受け入れて生きていくつもりなんだ。ダメかな」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「炎を愛してくれ。そして、霧の中で抱いてくれ」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「金髪の女が笑っている」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「口語体の表現が一番良い」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「ウィズラウデオポルドナウフキンズ」


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「山が泣いている。もう、人間は地球に必要なのかもしれない」


 もしも、君が知っているのなら、世界には通じ合うための手段がないと言える。

 だから、スーツを着て社会と繋がるために人生を使うべきだ。

 君を蝕む孤独は、君にしか見えない。

 そして。

 君が強くなるために必要なものを、君は持っている。

 使おうとしなければ死が近づいてくる。

 持ったまま失うことはできない。

 君の笑顔を待っている。

 朝日を見つめるな。

 朝日を背に戦え。

 君の笑顔は勝利を連れてくるだろう。


 この城には、商人が住んでいる。

 見たこともないチョコレートを売っている。

 買うためには、すべてが必要だ。

 指も。

 髪の毛も。

 前歯も。

 膝の骨も。

 舌も。

 眼球も。

 眉毛も。

 右耳も。

 睾丸も。 

 子宮も。

 金も。

 地位も。

 名誉も。

 分かっているだろう。

 もうすぐ、物語が終わる。

 もちろん、分からなくてもいい。

 まだ、分からなくてもいい。

 ただし。

 いつか。

 分からなければならない時が来る。

 君は、君の速度に付いてこられるのだろうか。

 

 一瞬で終わる。

 一瞬で負ける。

 一瞬で勝てる。

 一瞬で死ぬ。

 一瞬で生まれる。

 一瞬で。

 退屈が壊れる。


「海の向こうに嘘をついている男がいるそうだ」

「いませんよ。だって、海の向こうには誰もいないのですから」

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