第8話

あれからどれくらい経っただろうか…


私が時の魔王を封印してから、100年…200年…下手したら1000年も経ってるかもしれない。


私の黒く染まっていた髪は白くなり、髪は肩まで伸びきって、シズちゃんからもらった髪どめで、髪をまとめている私。


顔は鏡がないので、見れないが、シワのようなものは増えてない気がする。まあ、増えてもなにも困らないけど…


私は記憶の中で、ずっとあの旅を。私の冒険を続けていた。


ミナと出会ってから、時の魔王を封印するまでのその日々を。


実に時間にして、130時間29分のとてもとても短い冒険。


冒険じゃないかもしれない。


でも、私はミナといた時間が人生の最骨頂だ。


私の人生はひどいもんだ。


何も出来ない、何も救えない、自分の必要性を見失った。そして私はある日、1人の少女と出会い、終わったはずの物語が再び動き出す。


プロローグはこんなもんか?ひどい有様だな。


「またあの時に戻りたいなぁ…」


時の監獄の周りの空間に今までの記憶が塗られていく。


「私の最後の願い…私に失う大切なものはなにもない…」


お願い…あの時に…ミナと出会うあの時に戻して…私を…あの時に…!!!!!!


すると、私の目の前に、光のヒビが現れる。


私はそれを掴むようにして、手を伸ばした。


何かが…かけていく…


大切な何かが…


あなたとの…大切な記憶が…



崩壊する…

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