有名ホラーゲーム

有名ホラーゲーム

どうやら今日ホラーゲームが発売されるらしい。ネットニュースによると世界で有名なホラーゲームらしい、「化少女こわいしょうじょ」ってやつ。

よくわからんが。


ところで今、陽介あいつ何してんだろ。どうせゲームやってるだろ。


『お暇人さーん何やってるんですかー?』


…既読早すぎん!?さすが暇人ですねー


『ニートに暇人って言われたくねえ、発売された「化少女こわいしょうじょ」やってんよ』


へえー陽介あいつ化少女やってんだ…つーかニートって……自宅警備員と言えよなんか腹立つ。


『ニートちゃんもやればどうよ、面白いぞ』


やるが…ニートって呼ぶのやめろ自宅警備員だ!

買うにも今現在真夏なところ8月14日なんだよ、最高気温39℃の現在13時25分という一日で1番暑い時間。

この時間に出かけるなど頭が燃えるに違いない。外に出たくない。


『買わない拒否権はないお前には』

『暑いから外に出たくない』

『だから引きこもりニートって一生俺に言われるんだよ外に出ろ!やり甲斐があるゲームだよ?』


やり甲斐、一ヶ月ぶりに外に出るのか?出よう、外に


外に出て5分くらいのところに地味にデカいゲーム売り場がある。今夏休み真っ只中だから学生が多いことは行く前から分かってる。


「いらっしゃいませ!」


店員可愛い美人、ロングだ。というか耳がうるさい、学生というガキが多いことは分かってたがこんなにうるさいのか、疲れた帰りたい。


ホラゲー、ホラゲー、ホラゲー、あった!

『化少女』

読み方、「ばけしょうじょ」じゃなくて「こわいしょうじょ」なんだ。

とりあえず早く帰ってゲームをしよう。当分これで外には出れない、出たくない。


「お会計6200円です、ありがとうございましたー!」


初めてちゃんと女の子(店員)と話した。話すなんて

唯一俺に話しかけてくれた陽介オタクだからな。


店を出て俺は帰る、近場にスーパーやらなんやらがある家に引っ越して正解だった。もし遠くまで行かないと店が一軒もない家だったら死んでいた。


炎天下の下で子供は遊んでいた、熱中症には気をつけて遊んだんだか知らんが帽子を被っていて多分冷えてるタオルを首に巻いていた。


家は目の前だ、帰れば天国がきっとあるんだ!


「おおおおい!涼しいよおおおおおおお!」

冷房最高、冷房一本で生きていけるくらい最高だ。


早速ゲーミングPC開いてあのゲームをやろうか、ホラゲーだから脅し要素あるくらい分かってるさ。きっと俺はビビってしまうんだろう。


不気味すぎるホラーBGMと黒すぎてブスな顔が反射する、さっさと「ニューゲーム」押して。


しかし鬱だ。チー牛食ってるような顔で。自分の顔を見ると死にたくなる。


ゲームスタートは少女が喋った。


『今からあたし、あなたをこの館に閉じ込める!』

『脱獄してね。でも条件があるの。』

『条件はね、脱獄する鍵を見つけて。私の人形を見つけて、無くしたの。私の魂を見つけて、ふふふ私…幽霊なの!』


この少女いろいろ抜けてる。幽霊って初っ端から怖え要素ぶち込むな。


『あーでもこれじゃ簡単に終わっちゃう』

『そうだ!今から私が言うことは絶対しないでね!』


は!?勝手に禁止事項追加しないでよ!

社会不適合者なワイ氏、ルール破る確定演出…


『上を見ないでね!そして、私の言うことは絶対だよ?逆らったら死んじゃうから!』

『あ、言い忘れてた!上を見ても死ぬから気をつけてね〜♪』


「ちょおおおおおお!?ふざけんなぁ!無理無理!」

そうだ…俺はホラゲーが無理なんだ!苦手だ!こんなん一生クリアできないに違いないんだ!


『じゃあ早速閉じ込めるね!!』

バン!


「ギャアアァァァァァァァァァ!!!!!」

たかが「バン!」という効果音でビビる、これが俺でござる!これ俺がビビる回数数えようかな。


『え?何すればいいの?って、あたしがこれからぜーんぶ教えてあげるから大丈夫だよ!クリアできるからね!!』


「無理」

無理無理…開始5分も経たない間に冷や汗が止まらない、こんなゲームおすすめした陽介あいつはどうやら俺をいじめたいようだ。


『えっとね、ここは子供部屋だよ!確かタンスか押入れに人形があるはず!探してね!』


探したらポイントが貯まるよ!的なシステムはないんだな…ふふーん。

ていうかタンスか押入れってそんなの、押入れにしかないだろ。そう信じて俺は押入れを開ける。


開けると黒いものがモソモソと外に出る。よく見るとゴキブリのようだ…ゴキブリ?


「バァアアァァァァァァァァ!?ゴキぢゃぁアン!?やめておおおおおおくれええええ!」


無理無理無理無理ゴキブリは無理だって。あーそうだよ、俺は虫が無理なんだよ。これ一生クリアできないんじゃね?


『おっ!人形あったねー!よし次は魂だ!』


「おっじゃないって…ねえ」

本当に心臓に悪い。虫が出るとか、幽霊が出たらどうもこうもならないね。


『子供部屋に窓があるでしょ?その窓ねー弱いんだ。』


弱いってなんだ


『だから椅子を持って窓に投げたらすぐに割れる、そこからお墓行きだよ!』


お墓行きって行きたくない、なんか「行ったら死へGO!」みたいな言い方じゃねえか。


ガッジャン!バリリリリン!


すごいすごいなんか音割れしてそうで…ていうかこのゲーム無駄に音質と画質よすぎるだろ!


『さぁレッツゴー!』


お墓はすぐに目の前だった、青い魂が宿ってる。これを拾うのか。


『あぁあ!!青い魂拾った!悪い悪い悪い!!赤い魂なのに!呪われちゃう!死んじゃうね!』


ん?え?死ぬとは?


『言い忘れてたけどあたしが指示する前に勝手な行動しちゃったら死ぬんだからね!』


「はぁい!?さぁさと言えよこのクソ役立たず案内少女!!!クソ!?」


まてまてセーブしてなくね?


「いやそもそもセーブなかったよね!?ええ!?ていうかゲームの終わり方すぐ終わるなぁ!脅し要素なくて安心したけども」


案の定最初からでした!

────────────────────────

やっと戻ってきた、はいはい少女が言う前に何も行動したら死ぬんですよね!わかってます!


『青い魂触れたら死ぬから赤い魂を拾ってね!』


「触れたら死ぬんかい、ねええ」


『赤い魂は奥にあるから、そこに鍵も置いたよ!えへへあたしー優しいでしょ!?へへへ!』


え?少女ちゃん優しい…、一目惚れしたかもしれない…今さっきまでクソとか言ってごめんね?ね?


「俺キッッショ」


赤い魂と本当に鍵もあった…ええ?少女ちゃん天才?

大好き♡


『これで条件は揃った!ありがとう!』


ピーーーーーーーーー


「なに!?鳥じゃん…大群だ」


『ねぇ上向いた?ダメだよね、最初からのお約束なのに…破っちゃったからにはこうだよ?』


みっちりやらかしました、そうじゃん上向いたら死ぬんだったー。

────────────────────────


これでやっとゴールができる。もう一度このゲームをやることはこないだろう…


『さぁ庭から脱獄しよう!あそこの門にあたしが待ってる。』


セーブもなくてストレス溜まったゲームだったぞ

鍵を開けて脱獄成功。


チャレンジ精神がないクソ社会不適合者(俺みたいなやつ)はこのゲームクリア難しかっただろう。一応ゲームクリア推定時間が30分らしいが俺は1時間くらいはかかった。


『ありがとう!あぁ…もうこれでお別れだね。寂しいけどじゃあね、バイバイ!』

『またどこかで会おう!』


少女、最終的にめっちゃ可愛く見える。

このゲームはまぁ、クリア後の達成感が半端ない。数々のホラゲーをやってきた俺は3本の指に入るくらいのお気に入りゲーム。

また面白いゲームが出たらやりたいと思う。


やり直した回数 2回


少女からの手紙

ゲームクリアありがとう!

また出会えるといいな!


制作者 えーす


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有名ホラーゲーム @Ace_niko

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