第2話俺の謎と彼女の魔法の一部

俺が起きたら彼女カムルは台所に降り飯を作っていた。


「あ、起きた」


「お前なんで料理なんてしてるんだよ」


「だってお腹が空いたんだもん」


「だもんじゃねぇよ、気色わりぃ」


俺でも女性にここまで悪口言えるのは初めてだ、と思いながら彼女はを見ると


「う"ぅ…」


と泣いていた。

どうしたんだと慌てていたら、彼女は


「だって〜、昨日まであんなに優しかった人が1日でここまで辛辣になったのが悲しくて…」


とか言っていた。俺たち昨日初めて会ったよ?なんでそんなに感情移入出来るんだよ。と思いながら彼女が作った朝飯を食べていた時、彼女が


「そういえば昨日言ってたアソコ行こうよ!」


「昨日?あぁ迷宮全許可発行所な。無理だな、遠いし、しかも俺過去に行ったとき追い返されたしな。」


「どうして?」


彼女が俺に対してその質問をしてきた。カムルよ。それは俺にとっての地雷なのだよ。


「俺はな………魔法が使えねぇんだよ。」


「そうなの?」


「あぁ、だから追い返されたんだよ。」


この世界は魔法が日常的な世界。逆を言えば魔法が使えないやつはこの世界では出来損ないのような扱いを受けてしまう。俺は小、中、高の全てでイジメにあった。しかも、どれも先生は助けてくれなかった。その理由を聞いたことがあったが、全員口を揃えて「お前は魔法が使えないからだ」と言われた。俺はそこから人間不信になったよ


「……あれ?でも初対面の時は優しかったよね。なんで?」


「……そっちも話しておくか。俺の知り合いのおじさん、血は繋がってないけどいつも話に乗ってくれた善人だったんだ。そのおじさんと幼少期は長く過ごしたからな、それが影響されてるんだろ。」


「なるほどね〜愛は凍った心も溶かすか〜」


「俺の心はそのときまだまだガチガチじゃねぇぞ…」


あのときの俺はグレる一歩手前まで行っていたがおじさんが話に乗ってくれたり味方になってくれたおかげで堕ちすぎたところまではいかなかった。おじさんには感謝してもしきれないほどの恩をまだ感じている。


「………じゃあ私が魔法使えるようにしようか?」


「?なに言ってんだ?魔法っていうのは生まれつきのもので後天的なものでの発言はみまだに前例がないんだぞ。」


「大丈夫大丈夫、魔法が使えない人の特徴はとっくに見つけているから。」


「は?」


彼女はそういうと俺に手をかざし、光の魔法のようなものを放った。


「希望の光星ホーリーライト


その光が放たれた瞬間、俺は膝から崩れ落ちた。


「ガ!…グガッ!……グブッ……オェッ…」


まるで内蔵が直接焼かれるかのような熱さと痛み……俺はその痛みに堪えきれず、朝作ってもらったものを吐いてしまった。そして俺は吐瀉物を避ける形にして気絶した。




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