第20話 なんか復活いたしました

「生きていたのか!」


「まあ…なんやかんやあってですね…。」


全知がいなかったらマジで俺の異世界ライフ、あれで終わってたわ…マジで終わらせたくないし、せっかくの2度目の人生だから貴重にしないとな。


「そ、そうなのか…?何があったのか気になるが…とにかく!君が無事でよかった!」


(王様…あなたほんといい方ですね…。)


「何故そんなにニコニコしているんだ…?」


「ああ!いや!なんでもないですよ!」


「そ、そうなのか…?」


おっと、いけないいけない…つい表に出してしまった…。


「ま、まあとにかく!ヤツをなんとかしないとダメですよ。」



「痛ェんだよ、クソが。」



既にやつは背後に迫っていた。

その瞬間、そこから拳が繰り出されるが俺は最小限の動きで避けた後に拳を右手で掴んで受け止める。

いつの間に意識取り戻してたか。

大体3kmくらい吹っ飛ばしたんだけどな。


「クソ野郎が。」


「おいおい、さっきまで可愛い感じの声だったのにそんな怖い声出して大丈夫か〜?シワ増えるぞ?」


「は?何言ってんの?うぜェンだよ。死ね。」


「お〜っとっと〜怖いね〜。」


お〜怖い怖い、めちゃくちゃ言ってくれるな。

死ねだのウザいだの、オ〜コワイコワイ。


(なんで?スキル発動してるのにコイツの腕壊れないの?)


普通、『絶対滅亡』発動していたらガイアの腕が壊れるはず、でも何故発動しているのに壊れない?

耐性を身につけたのか?いや、このスキルはそれも貫通してダメージを与えられる。

何故?何故通じない?


「ちっ、うるさいな!」


空いている方の腕で掴みかかろうとする。


だが、俺は掴んでいた手を離し、下に右足を腹に打ち込む


「がはっ!??」


「『全知』使ってるからお前の動きなんて一発でわかる。」


「がああああ!!!」


また掴みかかろうとするが、俺は軽々避ける

だって知ってるからな。


「そして」


顔を掴み思い切り地面にたたきつけた。

地面は大きくひび割れ、亀裂が走る。


「ぐあっ……。」


「お前のスキルの対処法もな。」


こいつのスキルは法則とかなんでも滅ぼす。

確かにチートな能力だ。


だが



それを越えてしまえば何の問題もない。



「がっ……。」


「厨二病の時の俺なら、もっと使いこなせてたかもな。」




―――――――


少し遡る。


「…反吐が出るぐらい胸糞悪い話だな。」


「ええ。同感です。」


「その『パズズ』ってやつが取り憑いた理由もまさに悪魔…まったく、その種族の名前に恥じない生粋のゲス野郎だ。」


「ええ、まさに悪魔ですね…ただ面白そうだからという理由で無垢な少女に手を出すとは…。」


全く…胸糞悪い。

それ以上…いや、それ越えて逆に尊敬してしまうかもしれない。

悪魔の域越えて魔王だろ。

ただ、アイツの能力はとても厄介だ。

俺の攻撃を全部無効化…しかも無効貫通とかチートにも程があるだろ。

この人…いや、正確には人間なのかはわからんけど…弱点とか何か知ってるかもしれない。


「なあ、話逸らして悪いけど……あいつの弱点って何か知ってるか?」


さあ、何が返ってくる?





「う〜ん、わかりません!」





………は?




返ってきた返事は『わからない』だった。

は?全知がわからない……?


「……え?」


思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

いやいや、全知がわからないって………え?

まじで?マジで言ってる?

え?全知ってなんでも知ってるんじゃないの?

ホントに全知なの?この人。




「な〜んて、嘘に決まってますよ☆」





……。

俺の中で何かが切れた。



「大丈夫ですよ!ちゃ〜んと知ってい…へ…?な、なんでそんなニコニコしながら寄ってくるんですか……?」


「う〜ん、なんでだろうな〜☆」


「あ!さ、先ほどの発言で気を害してしまったなら謝ります…!謝りますからどうかお許しを!!」


「ねえ、全知くん?」ニコニコ


「は、はいぃぃ!!」


「別にね?俺は怒っているわけではないんだよ?けっっっっして怒っていないよ?」


「そ、それはよ「喋るな」「はいぃぃぃ!!」


全知の頭を掴んで目と目が合うようにしっかりと固定する。


「ねえ、全知くん。こ〜んなに人が真剣になって聞いてるのにぃ〜、ふざけていいのかなぁ?」ニコニコ


「だ、だめ…でしゅ……。」


「うん、そうだよね〜。ふざけちゃダメだよね〜………それぐらい全知なら分かってるよな?」


最後に声のトーンを下げて全知に聞く。


「は、はい……ごめんなさい…。」


もう泣きそうになってるが、何かまだこれくらいでは収まらなかった


「なんでこんなことしたのかな?」ニコニコ


「ちょ…ちょっと雰囲気を明るくさせよ「は?」「ひぃぃ!」


「んなもんいらないんだよ。お前は全知じゃなくてただの馬鹿なのか?ただの物知りなだけの空気読めない馬鹿なのか?そういうところだぞ?」


掴んでいた手を離してやる。


「はぃぃぃ……ふぇぇん……。」


ありゃ、泣いてしまった…ちょっと怒りすぎたか?

う〜ん…ちょっと慰めてやるか…。


「ああ!ごめん!まさか泣くとは思わなくて…俺、つい怒りすぎちゃうんだよな…。」


「いえ…大丈夫です…ぐすん…今回は私が悪かったので……。」


「そ、そうか…まあ、次からは無いようにしてね…?」


「はい…気をつけます…。」


もしかして、この人…意外とメンタル弱いのか……?


この後、泣き止むまで結構時間がかかった。




「さて、では本題に戻りましょう…あと、先ほどは申し訳ございません…。」


「いや、大丈夫…俺もちょっと怒りすぎた…。」


「いえいえ…では、スキルの弱点について言いましょう。あなたの言う通り、確かに強力です。ですが、そんな強力な能力にも弱点があります。」


どうやら、あの力にも弱点があるらしい。

あのスキルの能力を簡単に言うと『あらゆる法則・理・万象を滅ぼす』という能力。

一見、弱点が見当たらないような能力だが、何が弱点なんだ?


「ふむふむ…。」


「それは…。」



「そんな設定を超えればいいのです。」



……もう意味わからん…。

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学生の頃に考えたキャラ(厨設定&チート)に転生…恥ずかしくて死にそうだけどとりあえず異世界ライフ送ろうと思います さしし @sashishi

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