第14話 死と破滅の魔王

「…………は?」


死体になった四人の中心にリリスがいた。


「ほんとは殺したくなかったんだけどね…けどこの人たちとはなれないかなーって思ってやっちゃった♡」


やつは恍惚な笑みを浮かべながら舌なめずりをする。


俺の中で何かが湧き上がってくる


怒り?憎しみ?憤り?殺意?


いや



全部だ



「……おい。」


大地が割れ、作物や生命は命を失い、建物は砕け、空はガラスのように砕かれる。


「ん〜?」


「遺言は無いか?」


「無いよぉ〜??ていうか何ぃ?急にかっこつけちゃったりして。面白ぉ〜い!」


そうか、無いなら俺もやらせてもらおう




「ああそう、じゃあ死ね。」




俺は目の前にいる糞野郎を殴ろうと全存在をかけて音速を越える速さで拳を放つ


それによって周りに衝撃波が走る


だがやつを殴り飛ばすはずの右腕が内側から破裂した


「はぁ…?」


「もうもう〜、そんな興奮しないの♡!さん、はい!深呼吸深呼吸〜!」


「うるせぇ、黙って死ね。」


即座にスキルで腕を再生させ、『法則改変』で『ガイアはリリスのあらゆる攻撃、スキル、防御は効かない』と書き換え、左腕で殴ろうと拳を放つ



だが、また破裂した。


「!?」


「あ、ごめん。僕のスキルの『絶対滅亡』はこの世界の法則とか防御スキルの能力とか全部滅ぼしちゃうから⭐︎」


「マジかよ…どんな能…ぐぅっ!?」


「こらこら〜、ぶつぶついわないのぉ〜。」


俺は鳩尾にキックを喰らってしまい、200m程吹き飛ぶ


「やったぁ〜、お返しだぁ〜。」


そして地面に転がる。


(くそ…死ぬほど痛い!こいつ俺の防御スキルもあの『絶対滅亡』で突破してきたのか!?)

   

   

「君、『リリス』の事、散々殴ったりしてくれたよね〜?じゃあ今度は僕の番!どうしようかなぁ〜♫。ひたすら殴るかひたすら蹴るか破裂するまで踏み潰すか髪を引きちぎるか鼻をもぎ取るか歯を一本一本抜いていくか嬲り殺すか目をくり抜くか指をぜーんぶ折るか顔を地面に叩きつけてぐしゃぐしゃにするか手足をもぎ取った後生きたままお腹を切って内臓を引っ張り出すか逆さで両足を引っ張って痛い痛いって泣き叫ばせるか内臓を引っ張り出した後腸で首をしめ殺すか指を一本一本ゆぅ〜っくり切るかアソコの中に色々入れて中をぐちゃぐちゃにかき混ぜてその後内側から…どうしようかなぁ…ああははァ…♡やばァいィ…凄い濡れてきたァ…♡」


恍惚な表情を浮かべながら右手で自分の豊満な胸を揉みしだき左手で股を抑えている。


「おいおい…長々とどえらいこといってくれるな…ん?」


立ちあがろうとしたその時、俺はふと思った。何か引っ掛かることがあるのだ。


あいつの先ほどの様子が違うことだ。


(さっきのあいつはリリスのことって言ったよな?普通自分が殴られたなら『僕のこと殴ったよね』っていうはずだ。なんでさっき『リリスのこと』って言ったんだ?)


さらに思えばさっきはあまり明るさのない口調だったのにあれからこんな意気揚々な口調になっているのか。興奮してテンションが上がっているのか?


それでもあの『リリスのこと』という言葉に引っ掛かる


そう考える時間を終わらせる声が聞こえる


「ね〜早く立ってよぉ〜、まあ立たない方が殺りやすいから別にその方がいいんだけど⭐︎」


「じゃあ立つことにするわ。こっちだって死にたくないからな。」


俺が立ち上がったその瞬間


「はい!ドーン!!」


横に蹴り飛ばしてきた。


「ぐはぁ!!??」


俺は再び吹っ飛び、横に豪族で飛んでいく。


「がはぁ!」


岩に思い切り激突し、頭が揺れる、体が「いたいいたい」と叫ぶ


「ぐっ…。」


頭からは血が流れ、血は頬を伝う。


「うっ、おええ…。」


口からは血が溢れる。


(なんだよ…くそ…異世界ライフ送れるって思ったらこれかよ…デビュー戦の次に魔王なんて不運っていうレベルじゃないぞ…挙げ句の果てにあんなクソ野郎に仲間まで…何が全知全能のガイアだよ…。)


奴は歩み寄り、俺を足で仰向けにすると体に馬乗りに座る。


「あ、そうだ!」


そういうと、奴は俺の手足をスキルで生み出した鎖で縛る


「暴れても無駄だからね〜、それ暴れるほど手足引っ張られるやつだから。さて!どうして欲しい?死んでも生き返らせられて永遠に殴られ蹴られコース?指とか目とか歯とか抜けるところぜーんぶ抜かれて絶叫コース?なんでもいいよ!でも助けてください…とかは無しだよ!言った瞬間さっき濡らしちゃった時に言ったことぜーんぶやるからね!」


「あ、ああ…。」


俺が言えることはこれが精一杯だ


「うーん、喋れないのかな〜?それって好きにしていいってことだよね!じゃあ、始めよっかァ!!まずはその綺麗な顔からァァァァ!!」


なんの防ぎ用も体力もない俺はただひたすら拳を受けるしかなかった

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