第12話 中学時代⑧ 授業でダジャレを言わされた
中学2年の1学期の話です。
私の班にはAさんがいました。
私はAさんのことはこの年に名前を知ったので、彼女がどんな人なのか知りませんでした。
Aさんは不真面目な人でした。
私は目を付けられたのか、とある日の道徳の授業で、嵌められました。
彼女は私に班の代表として意見を発表するように言いました。
私は細々とした口調で断りましたが、彼女はそれを無言で否定して、私の班が発表する番になっていました。
「………………」
沈黙がありました。
誰も発表しようとしません。
私は仕方なく立ち上がり、Aさんに渡されていた文章を読みました。
「かわうそがかわいそうだったから」
Aさんの口から
「最高ww」
誰かが、
「サイテー」
と私を庇う声。
私はそこで、それがダジャレであることに気付きました。
クラスで笑っているのはAさんだけのようでした。
ですが、あまりにも惨めで、私は涙しました。
先生は黙って次にいきました。
事が大きくならないようにしてくれたのかもしれませんし、私を見捨てたのかもしれません。
そこは分かりません。
私は人に寛容な自信がありますが、人生で唯一、Aさんだけは許せない存在です。
彼女は真面目な私が恥をかく姿が好きだったようです。
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