第8話 中学時代④ 勉強が好きだった
私は勉強が大好きでした。
とにかく学んで吸収して新たな知識を得るのが楽しかった!
それにテストでいい点を取ると親が褒めてくれるのが嬉しかったんです。私は両親のことを尊敬していて、本当に恵まれたと思っています。
そんな両親に認められているって思えるのがすごく心地よかったのです。
でも、勉強ができることで、人から頼られることが増えてしまいました。
やりたくないことをやらされる。
それもすごく嫌でしたけど、さらに、私のテストの解答用紙がクラス内で回されたり、自主学習ノートを頑張った結果、学年全員の前で表彰されたりしました。
表彰良かったじゃん!て思われるかもしれませんが、私は人前に出るのが苦手です。
私は足を震わせながら賞状を受け取り、
「めっちゃ足震えてんじゃん」
と言われているのが聞こえました。
それは決して私を嘲笑うつもりがある言い方ではなかったと思います。単に珍しいが故にそう言っただけでしょう。それが誰の言葉かも分かっていました。私はその発言主がいい人であることを知っていました。
だから、その人を責める気にはなりませんでした。
ただ、その発言で私の緊張している姿が周りにも一気に知れ渡り、笑いが広がっているのを感じました。
悪意のない発言でも、人を苦しめることがあるのだと私は知りました。
きっと私だってどこかで似たような悪意のない発言で人を苦しめたことがあるんだと思います。
これは自覚するのは難しいことでしょう。
だから、その人を責めるのは間違っています。
ですが、当時の私はその恥ずかしい経験で、
「なんで努力して恥ずかしい思いをしないといけないのか」
という疑問を持ちました。
そこで過去を振り返り、勉強ができることの弊害が多かったことを思い起こし、勉強に励むのが嫌になりました。
ちなみに、この出来事は2年生の学期末の話です。
つまり、これも不登校の少し前の話です。
私が不登校になった理由の一つにこの出来事があったと言っていいと思います。
本来、勉強をするために学校に行っている訳ですから、勉強が嫌なら行く意味ないじゃんって考えました。
その発想は短絡的ですが、私はそうやって、不登校を正当化していたのです。
その正当化は私が納得すればいいだけのことなので、他人に納得されるかどうかは関係ありません。
この結果、私は中学3年生の間の勉強時間は限りなくゼロに近かったです。
そのせいで私は高校時代苦しむことになることは見向きもせずに。
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