青空に浮かぶ真っ白な雲、色々な形をしていて、その色も様々だ。


時間と共に形が変わっていく雲は色々な表情を見せてくれる……まるで君のようだ。


いわし雲、ひつじ雲、わた雲……一つとして同じ顔は無い。


嬉しさ、楽しさ、恥ずかしさ……人が見せる表情と同じで、どれも魅力的なものだ。


だが、時としてその雲は青空を覆いつくし、一面を深い灰色に染め上げる。


乱層雲という名の雨雲の存在だ。


雨雲は、その名の通り雨を大地にもたらす……


雨の事を『神様の涙』のように表現することがあるが、君を見ていると『心の声』を体現しているように思えてならない。


しとしとと降り続くその雨は、人が囁いているかのようだ。


優しく、そして静かに……寄り添うようにして伝えてくれているのだろう。


積乱雲という名のかみなり雲は、激しく大雨をもたらす……


ザーザーと激しく打ち付けるその雨は、人が叫んでいるかのようだ。


自分の意思を……伝えたい想いを声を大にして伝えているのだ。


天候が荒れてくれば、時には雷を伴うこともある。


その雷鳴は、君の怒りだ……抑えることが出来なくなった感情が爆発したものだ。


だが、そんな灰色の雲も常にそこにあり続けるわけではない。


吹き抜ける風がその雲を感情と共に押し流し、どこかへ運んでくれるのだ。


その風は、他者の想いであり優しさでもある。


優しく吹くその風は、君の怒りを受け止め、想いと共に受け流してくれるだろう。


そうして運ばれた想いが霧散したとき、また晴れやかな青空が顔を出すのだ。


そして強い意思として吹く風は、君の表情を変えてくれるかもしれない……


青空に浮かぶ雲が時間と共にその形を変えていくように、君の感情に変化をもたらし、その表情を……君自身を変えてくれることだろう。


君は彩雲と呼ばれる白色ではなく、虹色を映し出した雲を知っているだろうか。


その雲は、見つけた人に幸運をもたらすと言われているものだ。


いつかは君にも、そんな彩雲のように出会えて良かったと思えるような……幸運だったと思ってもらえるような人になって欲しいと心から思う。

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