音色

感じ方もあると思うが音というものは、たった一つの音色でも美しいものだ。


そんな音色も重なり合うことで、より一層美しい和音へと変わっていく。


だが、時として不快に感じる音も存在する……そう、不協和音と呼ばれるものだ。


ほんの少しずれるだけで、その音色は破壊されてしまう。


人のコミュニティにも同じことが言えないだろうか。


君が居心地がいいと感じたのなら、きっとそこは和音のように互いを上手く受け入れ

た状態なんだと思う。


そんな環境を手に入れることが出来たのなら、君は間違いなく幸せ者だ。


だが、君が不快に感じたり違和感を覚えたのなら、きっとそこには不協和音のようなズレが生じているのだろう。


僅かなズレの原因は、君かもしれないし、他者かもしれない。


その不協和音がもたらす環境に耐えれず、そこから居なくなる人も出てくるだろう。


それでも君はそこから動くことはないのかもしれない……いや、動けないのだろう。


何故なら、君は知っているから……


今は不協和音のような関係であっても、個々の音色が変わるかもしれないことを。


人は変われる……それは時間がそうさせるのかもしれないし、新しい音が加わることで新しい和音に変わる可能性もあるからだ。


音楽とは次のような表現で考えられているところがある……


旋律は情緒を、和音は思想を、そして律動は共感を。


旋律とは、云わば君たち個々の音色だ。繋がり奏でることで旋律となっていく。

互いに情緒を育み、色々な想いを共に生み出していくのだ。


和音とは、コミュニティのようなものだ。一人の音色だけでは出すことは出来ない。

同じ思想を持つものが集まることで、君はより高みを目指せることだろう。


そして律動とは、君たちが人と繋がろうとして思い悩みながらも進む姿だ。

そんな姿を互いに認めることで生まれる共感こそが、君たちの誇りとなるはずだ。


どんな音楽にも趣向はある、だから最適解なんてものは存在しない。


それでも君には、その音楽の為の最適解の音色であって欲しいと思う。



音楽という名の人の繋がりが素晴らしいものだと伝えられる人であって欲しいと。

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