紙ヒコーキ

今、君の手の中には1枚の紙がある。


その紙は表と裏で色が違う綺麗な正方形をしている……折り紙と言う名の紙だ。


折り紙はそのままだと只の紙でしかないが、折ることで形を成し姿を変えていく。


誰が見てもそれが何なのかを認識できる形に変えることが出来る。


丁寧に折れば綺麗な形状に、雑に折れば歪な形状に。


しかし、そのどちらもちゃんと物の形を作り、見る人に何なのかを伝えてくれる。


人の抱く感情とよく似てると思わないだろうか?


折り紙に表と裏があるように、感情にも表裏がある。


良くも悪くも人には二面性があるからだ。


色が表すような感情の変化もある。


表に彩られたものを表すなら、赤色なら怒り、青色なら悲しみ、黄色なら喜び……


裏には純粋さを象徴するような白色。


感情はそのまま心に留めていては誰にも伝わらない……


だから形にするのだ、折り紙を折ることで形にするように……


内に秘めた想いを言葉に変えて、それを相手に伝える為に。


しかし、丁寧に伝えなければ伝わらないこともある。


雑に伝えれば勘違いされることもある……それでも、伝えることは出来る。


今、君はその手に持つ折り紙を折りながら思ったのではないだろうか。


自分の中にも伝えたい想いはあるんだと……。


一枚の折り紙で作った小さく目立たない鶴も、千枚の折り紙で作り上げた千羽鶴なら

大きく目立ち、誰の目にも止めることが出来る。


その想いも一言ではなく、いくつも連ねればきっと届くはず……。


だから、君の中の秘められた想いを形にしてみてもいいと思う。


言葉にして話してもいい、文字に起こして伝えてもいい……


内に秘めたまま思い悩むままでは何も始まらないから。



さぁ、解き放ってみよう。君が折り上げたその紙ヒコーキに秘めた想いを乗せて。

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