第4話
「着いたぞ。これから本拠地に入るが指示があるまで私語厳禁だ。それでは2列になって着いてこい。」
バスを降りると周りに広がっていたのは地下の駐車場だった
「おいおい。もっとなんかクソでかい建物とかかと思ったら駐車場かよ。しかも地下。ここがどこかもわかんねーな。」
優斗が小声で話しかけてくる
「多分意図的に外を見せてない。バスも外が見れない状態だったし、普通に考えて12時間以上止まらないで移動したら日本のほぼどこにでもいける。しかも途中で高速も使っていたと思う。体感だけど。」
「確かにな。って考えると俺達が本拠地の場所を特定しないようにするためのカモフラージュとしてかなり回り道をした可能性が高いってことか。」
「そういうこと。今はとりあえず言いなりになるしかないね。」
ただ気掛かりなのはなぜこんなに慎重なのかだ。
私達はそもそもただの高校生で一般人だぞ?いや、だから警戒しているのか?
それとも本拠地が非政府組織にばれるとかなりまずいからこんなにも警戒してるのか?
10人ずつエレベーターに乗り上の階へ行くのかと思いきや下に下がっている感覚がした。
隣にいた優斗もそれに気づいたようで目を合わせた
.....?
このエレベーターのボタンには地下1階しかない。なのに下に降りている感覚。もしかしてこの建物は名目上対非政府組織の本拠地ではなく違う施設があるのか?
考えるのも束の間でエレベーターが目的地に着き隊員の指示に従い隊員の後をついていった
本拠地と呼ばれるところはセキュリティがかなり整っていてドラマや映画などで見た都会の会社の社内のような印象や総合病院のような印象もあった。
「この部屋に入り前から順に座っていてくれ」
ずっと案内をしてきた隊員はそう告げたが、私には違和感を感じた。先程まで命令口調だったが今は異なっていた。
そんな事を考えていると明らかに服装が私達が見てきた隊員とは異なる人が入ってきた。
1番初めに入ってきたのは20代くらいの男性だった。この人がこの組織の偉い人なのだろう。
私たちを案内してきた隊員が会釈をしている。
また次に入ってきたのは華奢な体つきのかなり顔の整った女性だった。可愛らしいという言葉が似合う。
この人もそれなりに偉い人なのだろうか...
もう1人入ってきた。
その姿を見て私はハッとした。
私の初恋の人にそっくりだった。
いや、そっくりなのではない。本人だ。
あの時は黒髪だったが茶髪のような金髪のような髪になっていて別人のようだった。
背が高く、スタイルも良い。
眼も透き通っていて顔の輪郭も綺麗。全てにおいてただ美しかった。
運命だと思った。いや、運命だ。
「おーい。彼方?ボーとしてどうしたんだよ。ってか今入ってきた女の人2人めっちゃ美人じゃね?2番目に入ってきた人めっちゃタイプ。可愛すぎだろ」
「優斗。運命とか信じる?私は今まで信じないタイプだったけどこれからは信じようと思う。」
「は...?お前何言ってんだ.....?マジで意味わか..」
「最後に入ってきた人。あの人が私の初恋の人だよ。」
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