第3話
「素晴らしい。君は私たちの組織
プロメッサ....イタリア語で確か...
「約束。でしたよね?promessaの意味。」
「そんなところだ。名前は教えてくれないのか?」
「すみません、気になったので。名前は一ノ瀬彼方と言います。」
「それじゃあ一ノ瀬。今から私達の本拠地へ向かうためのバスに乗ってもらう。他の試験合格者と共にな。」
喋ってるのは1人だけだ。
他の黒スーツの3人は部下か何かなのだろうか
というか私はこのままこの怪しげな対非政府組織promessaを名乗る者たちについていってもいいのだろうか。
そして試験では生き残ったら合格と言っていたがクラスメイトたちは死んではいなかった。
...はずだ。
外傷は見られたが比較的軽いものであった。
私の推測だとみんな気絶していただけだ。
まぁ対非政府組織と言うなら要するに政府側についているということになるため一般民間人を殺すなんてことは流石にしなかったと考える方が自然だ。
いや、だとしてもこれはやりすぎじゃないか。
政府のトップはこれを認めてるのか...?
わからない事が沢山あるだけに自分がどうすればいいのかわからない。
けどついて行ってみるか。
仲間だとか言ってたし。もしかしたら優斗も合格してるかもしれないし。
そんなことを思いながら教室を出て、人が無様に倒れている教室を眺めながら廊下を通り指定された昇降口に向かった
「かなた。良かったお前も生き残ってたみたいで。俺何が起こってんのかさっぱりわかんねーよ...」
歩いている最中に声をかけてきたのは聞き慣れた声だった。
非日常的なことしか起こっていなかったから優斗の声を聞くと改めてこの出来事が現実だということに気付かされる。
「優斗。良かった。ちなみにだけど私にもわからない。わかっているのはこの対非政府組織とかいう団体は頭がおかしいってことだけ。」
「わかってないって事な。わかったよ。とりあえずお前がいてくれてよかった。この先に何があろうとお前だけは信じてる。」
「主人公気取るな。」
そんな話をしていたら昇降口についた。昇降口には3、40人ほどの生徒がいる。どうやらあの意味のわからない試験に合格したのは私達だけではなかったみたいだ。
そして昇降口のガラス越しに見えたのはリムジン....いや違う。黒い高級感のあるバスだ。
「それでは適当にこのバスは乗れ。詳細の説明は今はされないため、この場で入団を辞退しても構わない。」
辞退してもいいのか。まぁしないけど。
私にはこの対非政府組織とかいう非日常感満載の組織に少し好奇心があった。日々の学校生活がつまらないからだろう。
みんな私と同じなのかはわからないが誰も辞退せずにバスに乗った。私もそれに遅れを取らないように優斗と共にバスに乗った。
バスに乗ってから5、6時間くらい経っただろう。優斗といろんな話をした。大体はこの非日常についての考察だった。はっきりいうと話疲れたが、優斗と話していたら少しばかりあった動揺や不安が消え去っていた。
周りを見渡すとほとんどの人が眠りに入っていた。それもそのはずで今日は情報量が多すぎた。優斗も私も気がつくと眠りについていた。
「おーい起きろ朝だぞ。まだ本拠地にはついていないがお前達には隊服に着替えてもらう。バスを降りたら係員の指示に従って隊服に着替えてまたこのバスに戻ってこい。」
指示が出されて次々に生徒達がバスを降りていく。
「朝ってことはバス乗ってから12時間以上は立ってるってことかよ。外の空気が恋しいよ。俺たちも行こうぜ。」
「優斗と一緒に着替えるのヤなんだけど」
「それは俺もヤダ」
軽口を叩きながらバスを降り隊服に着替えた。
隊服とか言いながら普通のシャツに黒のズボンだけなんだよな...
すぐに着替えて再びバスへ戻った。対非政府組織の人間によるとあと30分ほどで本拠地につくらしい。
また一眠りするか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます