第4話



 夢。



 きっと、そうに違いないと思った。


 意識ははっきりしてるし、すれ違う景色は鮮明だった。


 でも、ここにいるはずがない。


 この町に来ているはずがない。


 大体、昨日は試合が終わって、家に着いたのは夜の9時だった。


 その後シャワーを浴びて、ベットに飛び込んだ時にはもう10時を越えていた。


 パジャマに着替えて、スマホをポチポチしてて。


 いつ、眠ったのかはわからない。


 朝が早かったせいで、すっかりヘトヘトだった。


 その後の記憶があんまりないんだ。


 多分、すぐに寝ちゃったんだと思う。


 記憶がない時ってのは大体そうだよね?


 いつの間にか寝てて、気がついたら朝って感じで。



 …えっと



 なんで自分がここにいるのか、もう一度考えてみた。


 ここが夢の世界だって思えばいいんだろうけど、それにしては…って感じだった。



 …いやいやいや



 仮に夢じゃないとしても、どうやってここまで?


 自分の手持ちじゃ、絶対に来れない。


 新幹線を使わなかったとしたら、余裕で半日は超えてしまう。


 新幹線を使ったとしても、最寄りの熊本駅までは8時間くらいかかる。


 そこから乗り換えて約1時間。


 実質半日使ってしまうわけで、そこまでの記憶がないっていうのはちょっと…



 

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