第117話
「…2人は恋人、なのよね?」
「それにしては何というか、熟年夫婦?みたいな雰囲気になってるんだけど…。私たちよりもなんかね?」
俺が里恵とそんな風に未来のことを話していると、母さんたちから信じられないものを見たかのような表情を浮かべていた。…何か変なこと言ったっけ?
「…まぁ仲がいいのはいいことだしね。もうおばあちゃんになっちゃうのか」
「ふぇ!?そ、そんなことはまだないです!」
「ふふ、当然でしょ?むしろ学生のうちにそんなことになったら守をきつく叱らなきゃだったから良かったわ〜」
…当然だよ。悲しむのは里恵の方だって母さんの忠告、ちゃんと分かってるから。里恵を悲しませることなんて絶対にしないから。
「…でも、やっぱり私を求めてほしいって思っちゃうんです。守君にとって私って魅力的に見えてるのかな?って」
「…そんなこと、当たり前じゃん。里恵に魅力がないなんてことは絶対にあり得ないから。…でも、ごめん。やっぱり俺も初めての彼女だから、付き合ったらこんなことしたいとかってことを里恵に押し付けちゃったのかも」
里恵がそういうことをしたいって思ってたのも知ってるし、俺も男子高校生なんだから興味がないとは言わない。でも、もっとゆっくりの方がいいんじゃないかって考えちゃって。それが普通なんじゃないかって…。
デートしてお互いのことをよく知って3回目くらいで気分が盛り上がってそのままベッドインとか?
「…守君はどうしたいとかってあるの?私にしてほしいこと。守君にだったら何でもしてあげるよ?」
「ふふっ、ありがとう。だけど大丈夫だよ?これから先、何回でも機会はあるだろうし、楽しみにとっておくよ」
…だって、一番の願いはずっと側にいてほしいってことだから。…流石にちょっと重すぎたかな?それに、ちゃんと伝わったのかも分からないし。
「…うん!これからもずっとずぅっと一緒にいようね!!」
「当然でしょ?もう離すつもりなんて微塵もないからね?」
ちゃんと伝わってたんだ。それに里恵も同じ気持ちなんだって。うん、じんわりと胸が暖かくなるこんな感覚も悪くない、よね。
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