第93話 ★

〜里恵視点〜


 私は守君から話を聞きました。そしたら、全部私の早とちりみたいで。…なんか最近は早とちりとか思い込みとかが多くなったような?何でだろう?私は守君と色んなところに行く妄想くらいしかしてないのに…。


 守君がそんなことする人じゃないって、分かってるはずなんだけどね。だから信じて送り出したのに、守君が他の女の子をあんな、してるとこを見たらね?


 …もう、乗り越えたと思ったのに。葛原君の声が鮮明に蘇ってきたんです。私に魅力がないからって。


 …要するに、自信がないんですよね、私には。どうにかして自分に自信が持てるようになれば、もうちょっと守君に対しても余裕が持てるのかな?私の方が愛されてるんだから大丈夫だって。守君を信じる私を信じられれば…。


 だけど、きっとすぐには無理だね。守君の隣で、ゆっくりと自分に自信を付けていけばいいだけだもん。…何より、せっかく守君と一緒にいるのにこんな暗い考えしてちゃダメ!だから、このことで謝るのはもうおしまい!楽しいこと考えなくちゃ!!


 そう切り替えて辺りを見渡すと、用意の途中のバッグを見つけました。…そうです、お泊まり!守君とお泊まりするんです!それを想像すると私の頭の中はお泊まり一色になりました。暗い考えなんてゴミ箱にポイッです!


 …それなのに、やっぱり守君はお泊まりを渋っています。その上、話を逸らすかのようにお願いがあるって。守君がその気なら私だって!


 守君からのお願いはいたってシンプルで、部長に連絡を取ってほしいって。私が連絡するとすぐに既読がついて、伝えてくれるってことになった。それから、付き合った初日からこんなに遅い時間まで守君と一緒にいるのがバレちゃったけど、問題ないよね?


 …今度は私のお願いを聞いてもらう番です!守君のお家にお泊まりに行きたいなって。こっちはなんと、守君もOKしてくれました!?…まぁ、守君のお母さんがいいよって言ったらなんだけどね?それでも一歩前進です!


 ウキウキしながらお母さんに伝えにいくと、それなら手土産を持っていくようにと紙袋を渡されました。これで守君のご両親に少しでも好印象を与えるようにと。…確かにこれは効果的かもしれません!お母さんにしてはナイスアイデアです!


 …それにしても、守君のご両親ってどんな人なんだろう?優しいのかな?それとも厳しい人?私が仲良くなれるのかな?


 たとえどんな人でも守君と別れるつもりはありませんが、やっぱりほんの少しだけ不安です。私なんかには息子をやらん!とか言われたらどう説得しましょう?

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