第51話
そして迎えた土曜日。俺は500mペットボトルを30本、タオルを10枚店長から渡されて市民体育館に向かった。里恵は…いたいた。ウォーミングアップって言うのかな?走ったり飛び跳ねたりボールを打ったり。里恵はバスケ部だったんだね。それにしても里恵たちは昨日の6人だけなの?相手は10人くらいいる気がするんだけど…。
「あらあら〜、守さん。そんなところにいないで、一緒に応援しましょ〜?」
「お、お母さん。…では、お言葉に甘えさせていただきますね」
「お、お義母さん、だと!いつの間に!…いや、ダメじゃないんだが、なら僕はお
なぜか昨日会ったばかりの誠さんからそんなことを言われた。…何だろう?新妻一家はみんな距離の詰め方が早いのかな?
「…えっと、誠さんがそう呼んでほしいなら構いませんが」
「…?あれ、おかしいな。僕の勘違い?…って、ああなるほど。…よし、僕もお義父さんと呼んでもらえるかな?」
「は、はい。分かりましたお父さん」
「うん。改めて、末長くお願いするよ、守君」
「えっと、はい。こちらこそお願いします?」
…なぜだろう?盛大に勘違いして、重大なすれ違いが起きているような気がするんだけど…。でも、それが何か考えたところで分からないし、騙されてるような感じじゃないんだよな。だからとりあえずは放置で。
…っと、そんなことよりも里恵だよ!普段のワタワタした感じも可愛くて好きだけど、今のキリッとしてる里恵もカッコよくて好きだな。…まぁ、どんな里恵も好きなんだけどね!
…はぁ〜。分かってはいたけど、俺はもう里恵にべた惚れなんだよな〜。結局まだ告白もできてないのに…。なんて、悩んでても仕方ないよね!チャンスはまだいくらでもある。
…それに、母さんにも気づかれたし。絆創膏とかを用意してたら怪しまれるのは当然だし、俺が怪我とかしたんじゃないかって心配してくれた母さんに嘘を吐きたくなかったし。…できれば呼んできて、なんて言われたのは驚いたけど。
そんなこんなで試合が始まった。まずはジャンプボールから。こっちのチームは部長のかなかなさん。そしてボールは里恵の手に!…って思ったらすぐに霧島さんにパス。そして、ボールを受け取った霧島さんは……
「行くぞ、テメェら!!」
豹変した。はっ!?えっ!?…きっと俺は間抜け面をしていることだろう。昨日のおどおどした霧島さんと本当に同一人物なの!?双子の姉妹とかって言われた方が納得できるんだけど!?
「カナ、ゴール下!リエ、スリー!残りでライン上げ!」
こうして白熱の試合が幕を開けた。…ちなみに、郷田さんはベンチだった。
注:
作者はバスケの詳しいルールを知りません。ノリで見てください。
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