第50話 ★
〜里恵視点〜
それから部活のみんなが離れていきました。これで守君と二人きりです。私は早速明日の試合に来てくれるか聞くことにしました。
その結果は残念ながら失敗です。守君にも予定があったみたいで断られちゃいました。…仕方ないですよね?前日になって急にこんなことを言って。私が忘れてたせいなんです。
…それでも、やっぱり来てほしかったです。きっと明日が守君に私たち6人の成果を見せられる最初で最後のチャンスだったから…。もちろんインターハイもあるけど、流石に見に来てほしいなんて言えないです。…部長はそこで引退になっちゃいます。
…でも、守君を困らせるのはもっとダメです!我慢、我慢しなくちゃ。私がそう納得しようとしたとき、タイミングがいいのか悪いのかお父さんがやってきました。…って、そういえば守君とお父さんは初対面だったよね?どっちも優しいから大丈夫だとは思うけど…。
どうやらその心配は無用みたい。話題が私のことでちょっと恥ずかしいけど仲良くなれたみたいで良かった。…恥ずかしいけど!!なんなのお父さん!!
…そんなとき、お父さんは明日私は試合があることをバラした。ちょ、それは言っちゃダメなやつ!!絶対に優しい守君を傷つけちゃうよ…。私が早めに頼めなかっただけで、守君も休みの日に予定くらいあるんだよ!
…ほんと、勝手なことしかしないんだから。なんて、お父さんに責任はないよね?私がもっと早くに聞けていたら、それならもしダメでもお父さんに話す時間はあったはずなのに。だからこれはただの八つ当たり。お父さんに甘えてるだけ。…今だけ、いいよね?
それから守君は予定を曲げてでも私の応援に来てくれるって言ってくれた。それは嬉しかったけど、でも逆だったら?私が守君と遊ぶ約束したのに、その前日の夜に急にキャンセルになったらどう思う?…そんなのは絶対にイヤです!!自分がされてイヤなことは人にもしちゃいけない。それが当たり前なんです。だから私は断りました。
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