第45話 ★
〜里恵視点〜
セーフ!なんとかホームルームに間に合ったよ、やったね!…明日からはもっと早く起きなきゃ。
それからホームルームの後から授業が始まるまでの準備時間、私と守君はクラスの中心にいました。…そう、文字通りの中心です。周りを囲まれてます。そしてクラスの女子から質問攻めされています。…何で!?私たち、転校生じゃないんだけど!?
みんな私と守君のことに興味津々です。私は守君とそういう関係に見られて嬉しいけど、守君はそうじゃないよね…。気を使って否定しないだけで、迷惑に思ってるんじゃないかな?守君はいつも勉強頑張ってるから、それを邪魔しちゃダメだよね?…私から、ちゃんとみんなに言わなきゃ!守君に迷惑かけちゃいけないよ、って。
…でも、守君の方が先に反応しました。そしてなぜか広まっていた噂について聞いていました。…って、噂って何でしょう?正直、隣にいる守君にドキドキして周りの声はほとんど入ってきません。表情が変わらないように抑えるのが精一杯で、自分がどんな顔をしているのかも分かりません。
…どうやら私にはプラスになる噂みたいです。でも、守君については全く触れられてません。そんな時まで私の方を優先してくれるなんて、守君は私のことを好きなんでしょうか?…なんて、都合のいい妄想をしてみます。でも、上手く想像できません。今とそんなに変わらないような気もするし、守君は好きな人には意地悪になるかもしれません。もしかしたらその子以外は近くにいれなくなるかもしれません。…そうなったら、真っ先に見捨てられるのは私です。
…っと、いけません!また悪い方に考えてしまいました。これは私の悪い癖、ですね。もっとポジティブに、明るく、前向きに考えなくては!悪い方を考えるのは実際にそうなってからで十分です!
…私はもう、ずっと真っ直ぐに理想を追い続けようと決めたはず。だって、立ち止まっても走っても時間は同じように流れて、誰しもに平等に終わりを運んでくるんだから。その終わりをどうやって迎えるのか、それを決めるのはどれだけ頑張ったと自分で認めてあげられるか、だと思うから。今が辛くても、頑張って頑張って、頑張り抜いて、やれることを全部やったと胸を張って言えたなら、きっと結果が伴わなくてもスッキリすると思うから。
…葛原君と付き合ってたときも、何かできることがあったんじゃないかと終わってから後悔することばかりでした。だから、今度はしっかり向き合うんです!どんな結末が待っていたとしても後悔だけは残さないように。守君に恋をしてよかったって、胸を張って言えるように…。
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