第42話
俺は自分の家に帰ってきてからずっと迷っていた。里恵の応援にはどうにかして行きたい、けどそんな理由でバイトを休んでもいいものか?
「…すみません、店長。明日のバイトなんですけど、できればお休みを貰いたいんですが…」
悩んでても仕方ないから俺はバイト先の店長に電話することにした。
『守君がお休みを…?もちろん構わないけど、始めてから一回もないのにどうしたの?…ま、まさか、病気とか大怪我とか!?だ、大丈夫なの!?お見舞い、行こうか?』
「いえいえ」
『はっ!?面会謝絶とか!?し、死んじゃヤダよ〜!!』
「…落ち着いてください、店長。大丈夫ですから。ちょっと友達の部活の試合に行きたくって。…そんな理由じゃダメ、でしょうか?」
…やっぱりダメかな?こんな個人的な理由で休みたいなんて。
『な〜んだ、良かった。全然オッケーだけど…あっ、そうだ!相談なんだけど、明日の朝、試合前にでもちょっと寄ってくれない?』
「それは構いませんが…」
『じゃあお願い!新しく現地販売もしようかと思ってたんだけど、ちょうどいいや!飲み物でも売ってきて。もちろん、バイト代も出すから!』
「…分かりました」
…きっと気を使ってくれたんだよね?バイト扱いにしてくれるなんて、そんなに甘えてもいいのかな?だけど、せっかくの厚意を無駄にするのも悪いよね。…だから、その分はちゃんと働かないと!
そうして電話を終えた俺は明日の用意を始めた。…里恵には内緒で驚かせようかな?練習試合って何が必要なんだろう?タオルに飲み物?それとお弁当とか?…あっ!怪我したときように絆創膏とかも必要かも!とりあえずそれくらい用意して…いや、飲み物を売るのに別の飲み物を持っていっていいの?飲み物は買おう。
準備を終えた俺はベッドに入った。少しドキドキして、だけどそれ以上にワクワクしてる。俺が試合に出るわけじゃないのにおかしいかな?
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