第27話 ★
〜里恵視点〜
お母さんから渡したいものがあるって伝えるために(ここ重要!!)守君にRAINをすることになった。…でも、最初のハードルが下がったわけじゃなかった。
『お母さんが渡したいものがあるってことだから、明日早く来れる?』…没!!こっちが一方的にしてほしいことを伝えるなんてダメ!
『今、時間ある?』…そっけなさすぎてこれが初めてのメッセージになるのはちょっとやだ。
『明日も来てほしいな』…今までで一番だけど、あざと過ぎる気がする。
…そもそも、私が伝えたいことって何だっけ?お母さんからの伝言は伝えなきゃいけないだから少し違うし、大好きはまだ早すぎる。そういうのは恋人になってからじゃないと不気味なだけだもん。それ以外なら…ありがとうだ!!それとさっきのを合わせれば…うん!
『いつもありがとう。…また、明日も来てくれる?』
文章は決まった。後は送信ボタンを押すだけ、なんだけど勇気が出ない。
「もう返事きた?」
「きゃ!」
そんなタイミングでお母さんに話しかけられたから思わず送信しちゃった!今すぐ消さないと!って、もう既読ついちゃった!!
『こっちこそありがとう。もちろん行くよ!』
それからすぐに返事をしてくれた。…もしかしたら、守君も私と同じように悩んでてくれたのかな?都合のいい妄想だということは分かってるけど、それでもやっぱり嬉しかった。
速攻でお母さんからのお願いを終えた私は、私たちはメッセージのやり取りを続けた。声が聞こえないのは少し残念だけど、これはお互いが残そうと思えば永遠に残り続けるものだと考えたらRAINもいいと思えた。
…きっとラブレターとかもそうなのかな?ずっと形として残って想いが消えない。だけど思い出を重ねると手紙は少しずつ色あせて変化していく。きっとそのときには気持ちも変化してもっともっと好きになってるんだろうな。そして時間を重ねて一緒に見返したとき、「あのときは好きだったけど、今は愛してる」とかって言えるのかな?…ラブレター、書こうかな?
それからも私と守君は1時間ほどRAINを続けた。明日も学校があるからそこで終了になっちゃったけど楽しかった。きっと1日中でも続けられるんだろうな。…ううん、1日もあるならやっぱり会いたい。
さて、私もそろそろ寝ようかな?…って、お風呂!完全に忘れてた…。私はすっかり温くなったお風呂を沸かし直して入った。その最中に帰ってきたお父さんを待たせちゃった。ごめんね。
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