第24話 ★
〜里恵視点〜
私がやっと守君に話せたのは放課後になってからでした。本当は部活もあるけど、ずっと守君を見てるだけだった私はそんなこと気にかける余裕はありませんでした。だけど、明日からはこんな禁断症状にならないです!なんと、ちゃんと話してくれるって言ってくれました!部活があることはバレちゃったけど、それを思い浮かべれば頑張れます!
その思い通り、今日の私は大活躍でした。なんと2年の先輩と同じくらい動けたのです!1年間の差を埋める私専用の合法ドーピングです!…更に追加です。もし今日もっと活躍できたら…守君に褒めてもらえる。そう思うとより力が入ります。…が、その状態になったすぐ後のこと。部長さんに止められました。無理をすると体に悪い、と。…確かにそうですね。せっかくなら守君が見てくれてるときに全力を出します。
部活を終えて守君が待ってるはずの図書館に向かいました。あまり人がいなかったからか、すぐに見つけることができました。ここで私には2つの選択肢があります。まずは守君に声をかけること。この選択のメリットは長く話せるかもしれないこと、デメリットは勉強の邪魔になるかもしれないこと。もう1つは守君が終わるまで待ってること。こっちのメリットは守君を眺められること、デメリットは話せないこと。…うん、私が選ぶのは2つめの選択肢だね。それからすぐに守君の勉強が終わったみたい。もっと堪能してたいけど、閉館の時間とかもあるし仕方ないよね?
そして私たちは帰ることにした。まだ昨日は余裕がなくて気づかなかったけど、守君はさりげなく車道側を歩いてくれている。それにペースも私に合わせてくれてる。大好きな人の隣に自分がいる。私を見て、気遣ってくれる。きっと、こういうのを幸せって言うんだろうな。
…っと、そういえばお母さんに今日も守君を呼ぶよう言われてたんだった。そう思って声をかけると、守君とぴったり重なった。私たち、通じ合ってる!?…まぁその後に言った言葉は違ったけどね。けど、そんなことはどうでも良くなるような提案を守君がしてくれた!!な、な、なんと!私は守君の連絡先を手にいれたのだ!!これはいつでも連絡していいってことなんだよね!?ずっと話していられるってことなんだよね!!?私は踊り出しそうになる体を何とか抑えて、ニヤニヤしちゃう頬になるべく力を込めて表に出さないようにしたけど、バレちゃったかな?
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