第17話
志多さんと連絡先を交換した俺はいつものように図書館で課題に取り組んでいた。…が、いつもよりも集中しきれていないように感じる。いくら追い出そうとしても10分に1回くらい考えてしまうことがある。……そう、俺は里恵さんとも連絡先を交換したい!
「…ふぅ、ようやく終わったか」
それでも、やれば終わるものでいつもの1.5倍のくらいの時間で、具体的には2時間くらいで終わった。ちょうど部活も大体終わる時間だし、なんだかんだでピッタリだったかな?
「…じゃあ、帰る?」
「うわっ!!」
いつの間にか隣の席に里恵さんがいた。急に声をかけられて驚いた俺は間抜けな声を出してしまった。
「…もう!そんなに驚かなくていいじゃん」
「ごめん!って、いつからいたの?」
「…30分前くらい?守君は集中してるみたいだったし、邪魔にならないようにしてた」
「そんなに!…ごめん、気づかなくて」
「ごめん禁止!…私のわがままで送ってもらうんだから、私が何倍も謝らないとになっちゃうじゃん!」
「そっか。…じゃあ、行くか」
「うん!」
それこそ、里恵さんは気にしなくていいのに。送り迎えは俺が言い出したことなんだから。…まぁ、これ以上は気にしないことにするか。里恵さんもそう言ってくれてるし。そのまま俺たちは学校を後にした。
「「…ねぇ」」
俺が連絡先を交換したいと言おうとしたら、何故か里恵さんと被った。
「ぷっ」
「あはは!…里恵さんから先に言って?」
「どうせなら、一緒に言ってみない?同じこと言おうとしてたかもよ?」
「…分かった。じゃあ、せーの」
「「連絡先、交換しよう!(
…全く違ったな。当たり前かもだけど。それにしても、また里恵さんの家でご馳走になるのはどうなんだろう?
「…やっぱり違ったね。こういうときに揃うのが少し憧れだったんだけどな〜」
「まぁ、それは難しいよね。…またお邪魔してもいいのかな?」
「もちろん!…実は、お母さんにも言われてたんだ。守君を連れてきて、って」
「…そっか。じゃあ、お邪魔しようかな?」
「うん!早く行こっ!!」
里恵さんは手を引きながらそう言った。…また母さんにご飯いらないって連絡しないとな。
「…っと、連絡先の交換!私もしたい!!」
里恵さんはそう言ってスマホを取り出した。それですぐにRAINを交換した。…気のせいかもしれないけど、志多さんと交換するよりも嬉しいかも。俺から誘ったからかな?
「…えへへ、嬉しいな」
里恵さんはまるで宝物のようにスマホを抱えた。…嬉しいは俺のセリフだよ。
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