第10話 ★

〜里恵視点〜


 『大丈夫?里恵が振られたって聞いたけど。私は里恵の味方だからね!』


 それは私の親友、志多した 朋花ともかからでした。


 『そうなんだよね。でも、私は大丈夫だよ。けど、どうして知ってるの?』

 『それは…内緒。って言いたいけど、後で知る方が傷つくと思うから教えるね。…本当に大丈夫?明日とかでも私はいいよ?』

 『もう、心配しすぎだよ。私は大丈夫』

 『じゃあ、言うよ?…実は、あの屑…あ〜っと、里恵の元カレが広めてるみたいなの。里恵を振ったって』


 「…えっ?」


 どうしてそんなことをするのか私は理解できなかった。広、めてる?どうして?


 「里恵?どうかしたの?」

 「…お母さん、これ」


 私は隣にいたお母さんに自分のスマホを見せた。私はもう元カレのことは何とも思わなくなっていたけど、これを見て完全に気持ちが冷めました。…私、こんな人を好きになっていたんですね。


 「…へぇ。確か元カレって葛原とかって言ってたかしら?私の娘を侮辱するなんて…いい度胸ね」

 「ひっ!お、お母さん!?」


 そこで見たお母さんは本気で怒っていた。少し嬉しかった…けど、凄い怖かったです!!


 『やっぱりショックだよね?よし!明日の放課後思いっきり遊ぼう!!もちろん、私の奢りでね!』

 『ありがとう。でも、放課後は予定があるんだ』


 少しの間、返信が遅れたからでしょうか?朋花がそんな提案をしてくれた。嬉しかったけど、私はそこまで落ち込んでないし、放課後は杉田君と一緒に帰るという約束がある。


 『そっか。用事があるなら仕方ないね。じゃあ、また近いうちに遊びに行こうよ。愚痴もいっぱいあるだろうしね』

 『うん。ありがとう。でも、私はもう気にしてないよ』

 『…うん。じゃあもうこの話題は止めるね』


 その後は何気ない会話を続けた。学校のこと、アイドルのこと、少し早いけど夏休みのこと。楽しかったけど、気を使ってくれているのを感じて少し辛かった。だから私は打ち明けることにした。もしかしたらチョロいと、尻軽女だと嫌われるかもしれない。…でも朋花には、私の親友には伝えたかった。


 『…ねぇ、恋愛相談、していい?』

 『恋愛相談?…あのクズだったら別れた方がいいと思うよ?』

 『私もそう思う。…私が振られる場所にたまたま男の子がいたんだけど、その人がちょっと気になるなって』


 私はぼかしてそう伝えた。本当は気になるなんてものじゃなくて、もう好きなんだけど。

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