第4話
4
メールは、持っていない
引きこもりが酷く、病院に、止められている
等々の口から出まかせを、僕は、言う事になった
そのうち、良くなったら、と、言う事が、起こるかどうかは、不明だが、少なくとも、早く、消えてほしいのは、言わずもがなである
女子生徒は、不満そうであるが
何か、一人納得するように
「可憐」
と、言い残し元の席に戻っていく
「メール持ってないの」
と、家で、聞くと
肉じゃがを、前に、あれは、ハナは
「無い」と、無情に、ジャガイモを、くちにほおばりながら言う
「なぜだ」と、聞いた所で、無いのであれば、無いのであろうが
何故ないのかを、目で、聞くと
それで、通じたらしい
「面倒だ、機械は、嫌いだ」
と、阿保ーと、言いかねぬことを言う
「そう言えば、お前は、ここに来る前は、何処にいたんだ」
白滝を、お椀に、よそいながら聞くと
奴は、微妙に、声を落とし
「それはそれは、それだ」と、さらに、良く分からないことを、言った
「お前の名前は」
花だ
「いや違う、その前の名前は」
相手は、ふてぶてしく
名前を隠し、先ほど偶然思いついたようなその名前を口にした
「ハナハナハナハナハってな感じでok」
全く何が、許諾したのかは、良くは、分からないが、肉を、摘まみながら、そう言うのだから、仕方がない
薄味に、砂糖の甘みが良い
そんな夕食であるが
奴は、最後に一言、ご飯のお茶碗の向こうから、それを下ろすと
「まあでも、友達に、そう、会っても良いかな」
僕はその時、妙な感じがした
目が、どうも、縦に、割れたような気がしたが
光の加減であろうか
僕が、彼女に、友達になっても良いかなと、そう話は、翌日
彼女は、学校を欠席した
「おい、まさか、お前の仕業じゃないだろうな」
学校から帰って、私は、何日か、過ごした後、
ふと、思いついたように、リビングで、洗濯物を、たたんでいる、奴に聞く
それにしても、異物感が、半端がない
それは一瞬、テレビの中でも、覗くか、または、非現実間の漂う、光景に、思えて仕方がないのだ
クラスで、美しいと思った人間が、近くにいると言うのは、非常に、心臓に悪い
それが、さらに、無意味に、必要以上に、美しいのだから、オーバーキルであり
いっと、良く分からない感情が、芽生えかねない
「何でしょうか」
それは、そうだろう、聞き方が悪かった
「クラスの女子が、お前と、友達になった次の日に、休んだんだ
遊びに行ったかは知らないが
次の日も休んで、今日、登校したが、妙に、フラフラで、お前の仕業では、無いだろうな」
こちらを、ツーンと、眺めていた女は
口をついて
「私だよ」といった
いや、奴は、男のはずだ
そうなると、何か、したんじゃないだろうな
奴は、インキュバスだ、ろくなことに、なら無さそうである
「おい、何をしたんだ、事と場合によっちゃ、やはり、僕の手には負えないよ」
相手は、笑う
笑っていた
声もなく、まるで、お面か何かのように
私はその記号を、まるで、そう言う数式のように受け取っていたが
しかし、相手が、私と同じ感情をもって、そう考えて、伝えてくれているとは限らない
人間だってそうだ
それが、この世ならざる者の可能性が、ある以上、私は、ライオンの檻の中に一緒にいるかのような、いや、そう言えば、何故、この人のようなものは、私の家の中に、居るのであろうか
あれ
僕は、振り返る
相変わらず、服を、たたんでいる
何故だろう
いつ、私は、この存在が、この中にいることを、認めたのだろうか
「おい、花」
振り返ってほしくない
私は、そう思った
しかし、その、若い存在は、どう見ても、同年代の女子にしか見えず
私は、ぼんやりと、その姿を、見つめていた
「どうかしたか」
僕は、彼女に言う
「何をしたんだ、彼女に」
しかし、それは
笑みに包まれていた
どういう事だ
意味など存在しないのか
「・・・」
目線で
私は、ことを、聞く
「単純な話だよ、私は、インキュバスだからね
食べなければいけない
そして彼女は、望んでいる
うぃんうぇいんだよ」
食材があるから、知識があるから、行動する
しかし、それは、与えられたレールなのだろうか
「彼女には、手を出すな」
彼女の目が、私を見た
何だろうか
怒り
私は、そのように見えた
涼し気な前髪とは、対照的な、その二つの黒い瞳
それが、私を、貫いている
こういう存在は、魅了というような、催眠術の類を、使えるとも思える
だとすれば、奴は、何を、自分の思い通りか、何かにしようとしていると言うのだろうか
「お前は、彼奴と、私、どちらの命が、大事」
首を傾げられても、全くかわいくない
その質問は、その髪が、肩から流れたとしても、全く意味を、受け流しはしない
こちはやはり、家を追い出した方が良いかも知れない
私にとって、それを、分解できるようなものはないし
友達でもない同級生が、どの程度困るのかは、しらないが
しかしだからといって、これを、家に置き続ける
理由にも
偏愛に、行くことも、出来ないのではないだろうかと思える
「あなたは、どうして、家にいるんですか
私が、家事を、手伝ってほしいと、言いましたか」
首を振り
「質問の答えになって居ない」と、鋭い怒号が、飛んだ
私は、どうして、確定していない関係のうちに、こんなことになっているのか
彼は、一体、私に、何を望んでいるというのか
私は、何故、一緒にいるんだ
恋人とは何だ
誰かにとって都合のいい存歳か
彼女にとって、私は、人形のようなものか
手を取り合うにも、性別は違うし
私は彼女になにも望んでも居ないし
何かを、しようとも思わない
でも、彼女は、そこにいる
何だろうか
同年代なら、性的思考を、持ち合わせているのだろうが
いや、自分にないとも言い切れないが
良く分からない
同姓だから、奇麗だから、良く分からないから
分からない
彼女は、彼は、私にとって、いやいやいやいや、
まず、なぜ、彼女は、ここにいるのか
私は、それについて、改めて、深く考える必要性を、感じていた
彼女、あの姿が、脳裏に、薄れることなく、こびりついた
その理由とは
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