救出大作戦!
フェルミナのかけ声と共に一気に大陸へ乗り込む。海辺の断崖の上に魔王城があるので、二号機が表から初号機は崖側から攻める。
二号機が城のATフィー……魔法城壁をぶち破り。建物を破壊している隙に、東の塔へと初号機が近づく、そして塔の天辺へ初号機が手を伸ばすと、ミノスがそれを伝い、塔の天辺の壁を破壊し部屋へと突入する。
「奥方様!ミノスが参りましたぞ!」
「ミ、ミノスじゃと!貴様!時間を考えぬか!目が覚めてしまったではないか!」
赤いパジャマを着た黒髪の美女が、天蓋ベッドの上でミノスに憤慨する。
「お、奥方様!今はその様な事を言っている時ではありません!早くこちらへ!」
「冗談じゃ、良く来てくれたミノス!」
ミノスはミルオレを抱えると、初号機へと飛び乗り、首の根元に出てきたカプセルへとミルオレを入れる。そしてミノスは素早く初号機から飛び降りた。
ミノスはこの後海岸へと行き、難民保護組と合流だ。
「なんじゃ、これは?どうなっておるのだ!?」
カプセル内に投げ入れられたミルオレが怒る。それを確認したフェルミナが戦線を離脱しようとレバーを引く。
「お前が奥方か?もう安心だ私に任せておけ!」
「お前とは、失敬な!其方はいった……お主はフェルミナか?」
カプセル内のシート越しに顔を見合わせるフェルミナとミルオレ。
「む?おぉ!ミルオレじゃぁないか!800年ぶりか?懐かしいな!奥方はお前だったのか!なんだよその喋り方は!おい!」
ミルオレは、フェルミナよりも先に森を出たエルフだった。
「もう!1200年だよフェルミナ!私が森を出てからだからね!しっかし大きくなったねアンタ!これどうしたんだい?生まれて初めて見たよこんな巨人は!」
「いやぁ、ミルオレが森を出た後私も森を出たんだけどさぁ、あの後面白いことがいっぱいあってさ、帰ったらいっぱい話すよ!最近は元気のお陰で凄く楽しいんだ!」
旧友に出会い、嬉しさと懐かしさで言葉が当時に戻る二人。
「元気?」
「あぁ!人間だけどすげぇんだ!」
「アンタ人間なんかと遊んでいるの?」
「まぁ、会えばわかるって!」
「そう?まぁ良いわ、それよりこれ、どうやって動かすのかしら?」
「あぁ、それはだな……」
ここからイレギュラーな事態が起こり出す。
「グレイ殿、東の塔の初号機が動きませんが大丈夫でしょうか?フェルミナに思念を送っているのですが、どうも伝わってない様で……」
とイケメン。
「ちょっと!変なところ触らないでおじさん!スケベ!」
とイグアナ。
「さ、触っておらぬわ!どうするか、暗くて遠くてよく見えぬ……夜が明ける迄に帰らぬといかんのであろう?」
とグレイ。二号機には男3人で乗っている。
「えぇ、元気様にバレるのだけは絶対に駄目です!本やアニメがお預けされるのです!」
「確かに困るわね!今回は新しい男組を貰うのだから!」
「何を言ってるかわからぬが、そろそろ動かぬと到底まにわんぞ」
そう言って、適当に城の西側を、二号機が破壊している時だった。初号機がけたたましく吠えた。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
初号機が突如として動き出すと、片っ端から城を破壊していく、何かに怒り狂っている様だった。
「ま!まさか、暴走か!?」
焦るグレイにイグアナがツッコむ。
「いや。おじさん、それ。私が言いたかったんだけど……」
「モニター出ます!パターン……あ!ミルオレじゃないか!生きていたのか!」
モニターに映るミルオレに、イケメンが喜ぶが、グレイがある事に気づく。
「フェルミナ殿が、焦っているが……。相当ヤバいのでは無いか?俺は、あんな姿……見た事無いのだが?」
「……。確かに……。あの子が焦る時は本当にヤバい時ね……」
モニターから、響くミルオレの怒声に男組が不安になる。
「うおらぁ!クッソ魔族共が!よくもあんな所に閉じ込めやがってからに!全員ぶっ殺す!」
操縦席をフェルミナから奪い。レバーをガシャガシャしながら魔力を流し込むミルオレ。
「お、おい!ミルオレ!そろそろ戻らないと元気に怒られるんだって!」
「人間なんか放っておけ!おらぁ!」
「元気が言ってたな。身に余る力を持つと、どうのこうのって。こういう事だったのか……ミルオレ!スマン!」
「ぎゃ!」
フェルミナが、首の後にビャッ!とする手刀でミルオレを気絶させる。そして退散を始めた。
フェルミナ達エルフは、ちょっと夜の散歩ついでにラーメン食ってく?的なノリでのお出かけだったのだが、ミルオレの暴走により、魔王の城がほぼ全壊しまったのだった。
浜辺で全員と合流すると、ミノス達は飛行船で難民保護へ、フェルミナ達はアルカンハイトへ戻った。
帰りは、急いで帰宅する事が最優先だった為。こだわりの演出も捨て、初号機、二号機はシュワッチ。と普通に飛んで帰った。
居残り組のミノス達は、夜明けと共に奴隷狩りの被害者や、その生き残りの捜索を開始したのだった。
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