第17話 クソガキは新しい仲間?

「ねぇ、りっくん。ここまで話したんなら、もう、スキルのことも話したら?」


 オレがムスっとしていると、隣のゆあちゃんがこそこそと小声で伝えてきた。


「いや、でも、コイツが信用できるか怪しいし」


「どういう意味よ?」


「そのまんまの意味だが?」


「少なくとも、ベルを助け出すまでは協力してあげてもいいわよ?」


「ほら、りっくん。新しいクラスメンバーゲットのチャンスだよ?結局一年経ってもお友達作れなかったでしょ?」


「うぐっ……うーん?こいつがぁ〜?」


 痛いところをつかれたが、そもそも、クラス加入のためには、一定の信頼関係が必要なはずだ。一度、左腕のエニモを机の下に持っていって、双葉に見えない位置でクラス替えスキルの画面を操作する。


 オレの隣の座席をタップして、新規メンバーの加入を押して、


―――――――――――――

双葉鈴を転入させますか?

Yes or No

―――――――――――――


 という表示までいきつく。

 ん?ここまでくるってことは加入できるってことか?アトムのときは表示すらされなかったし。


「んー……」


「あんた、さっきからなにしてんのよ?盗撮?キモいんだけど」


「は?おまえなんか盗撮するか、勘違いすんな」


「はぁ?なんなのさっきからケンカ売ってる?」


「こっちのセリフなんだが?てかさ、双葉って強いんだっけ?さっきゲート近くのウサギは倒したって言ってたけど」


「ま、それなりに動ける方だと思うわよ。高校生くらいのレベルにはなってるんじゃない?」


「ほー?武器は?」


「二丁拳銃」


「なにそれ、カッコいい……」


「そりゃどうも」


 オレに褒められた双葉は、偉そうに髪をかき上げていた。


「で、ダンジョン攻略に協力してくれるんだっけ?」


「あんたの誠意次第ね。隠してること、全部ゲロりなさいよ」


「んー……ゆあちゃん、どう思う?」


「クラスに加入できるなら、それなりにりっくんのこと信頼してるってことでしょ?なら、いいんじゃない?それに、ゆあたちと目的は同じなんだし」


「まぁ、そうかぁ……よし!じゃあ!おまえのこと信用して話してやるよ!」


「なんかムカつくけど、いいわ。聞きましょう」


「オレは1年前、ユニークモンスターを倒した!」


「それは聞いた」


「そのときオレは!スキルを手に入れた!」


「……へぇ」


「なんだよ?驚かないのか?」


「続けて?」


 余裕そうにティーカップ片手に手のひらを差し出してくる。


「むっ……そのスキルは、《クラス替え》って名前で、オレを学級委員としたクラスにメンバーを加入させると、そいつの好感度によって、オレの身体能力を上げることができるんだ」


「なるほどね。面白いスキルじゃない」


「だから、おまえもオレのクラスに入ってくれ。オレのステータスのために」


「わたしにメリットは?」


「め、メリット?……オレが東京駅を解放させてやる!」


 ドドン!オレは、自信満々に立ち上がって、空を見上げた。オレに任せておけば全部解決してやる!の構えだ。

 双葉から、「わーい。ありがとー」という答えは聞こえてこない。


「……」


「あの、双葉さん。りっくんはアホだけど、本当に強くって、最近の動きなんて化け物じみてるから、それを見てから、クラスに加入するか判断してもいいんじゃないかな?」


「そうね。今の話が本当なのか分からないし、まずは確認させてもらいましょうか。行くわよ」


「あん?どこにだよ?」


「ダンジョンよ」




=====================

【あとがき】

いつも読んでくれてありがと。

あんたたちが欲しいのは、面白い話、よね?ふ~ん。


わたしが欲しいのは、★なわけ。……なによ?わからないの?


え?もう★入れたんだが?ですって?

ふん!当然でしょ!お礼なんて言ってあげないんだから!!



マジでいつもありがとうございます( *ノ_ _)ノノ ╮*_ _)╮

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