第2話

 義妹 


 あれから、私達はもうすぐです18になる。


 最近、みんなが受験で忙しくて、私もこれからどうするか考えないといけない。


 だから、お母さんと真剣に話すことにした。


 「はぁ??いや、無理でしょ。うちの金じゃ」


「・・・」


まさかの、お母さんは大学に行けると言うのだ。


 私はやつが捕まって高校生になった時からこれが今度こそ私の最後の青春だと覚悟をしていた。


 「・・・優(義兄)が用意をしてくれたのよ」


「何を言ってるの?」


いやいや、無理に決まってる。幾ら働くことしか脳がないとは、あのゴミがそんな金を用意することが出来るわけがない。それに、去年は金が尽きて旅行にいけなかったし。


「無理だよ!!そんな金」


「春・・・あなたには話してないけど、優はずっと小説とか、まとめ動画とかを作って稼いでいたのよ」


「・・・っ!そんな、あの人が、」

 

 あの、ボッチがそんな人を楽しませるようなことが出来るわけないじゃん!!


「・・・」

そして、お母さんは黙ってその稼いだ金を私に見せる。


「・・・本当なの」


「・・・本当よ」


私は、その現実を見て頭を打たれたような痛みがする。


ずっと、見下して嫌いだった兄・・・


 対して私は、これからどこに働くかと考えていた。


そして、兄より効率よく稼いでそのうち縁を切る予定だったのに、


それが


「・・・そんな・・・ねぇ!!どうして!!黙ってたの!」


「・・・それは、あなたは考えなしに金を使うじゃない」


「・・・っ」


否定が出来ない。


「・・・春、それにあなたは一度も優にありがとうって言ったことないよね。」


「・・・あんなやつに感謝なんて!」


「・・・春、あなたに前の旦那のことで酷い目に合わせことは私もすごく反省してるし、後悔してる。だから、ずっと私も口に出来なかったの」


「・・・何を言ってるの!急にそんな前のゴミのことなんて!!」


「そうね。そしてさらにその新しいお父さんで、またあなたに迷惑を掛けて傷つけてしまった」


「・・・そうだよ!!でも今はそれは関係ない/・・・関係ないよ」


春は、涙を流し始める。


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る