ウィルキア大陸編
序章 転生
第1話 転生
再更新です。
一章完結したので、不審点などを変更していきます。
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転生した。赤ん坊に。
いや、わかるよ。転生したんだから、赤ちゃんになることは予想できた。だけどねー、いざ赤ちゃんになってみると、やっぱり不便なんだよね、この身体。すぐ眠くなるし、便は垂れ流しだし。まあ、我慢すればいいだけだけどね。
で、そんなことよりもだよ。さっきから、僕の視界どころか、この空間を埋め尽くすように広がっている光。そう、魔力だ。
「あうー!」
嬉しすぎて、思わず叫んじゃった。声、上手く出せなかったけど。
いやー、ほんと嬉しい。
だって、前世で得ようとしていた、
さらに、これさえ使いこなすことができれば、やれることの幅が大きく広がる!
例えば、勇者になって魔王を討伐するっていう王道のザ・主人公系ルートもいいし。(この世界に魔王がいるかは知らないけど)
逆に主人公の前に立ち塞がる、「こいつ、どう倒せば良いの?」って感じの最強敵キャラクターになるのもいい。
いっそ、国の王様になって国家経営ストーリーって言うのもありかなー?
ダメだ、どんどん妄想が膨らんでいく。
無限に膨らみ続ける妄想に、一旦空気を送るのをやめ、思考を整理しようとした瞬間、体を眠気が襲う。勿論、赤ん坊が眠気に耐えられるわけもなく、睡眠の欲求のまま眠りにつくのだった。
6時間ほどの睡眠の後、何人かのメイドのような人と、母と思われる人物が部屋に入ってきて、僕の様子を見てすぐに出て行った。
流石に、生後間もない赤ん坊に、異世界の言語が理解できるはずがなかった。
では、気を取り直して。
まず、僕のやりたい事をコンプするには、魔力操作を完璧にしなくてはならない。
とゆうわけで、まずは、魔力を感知できるようになろう!
とは言っても、魔力を視認する事はもうできているから、基礎はほぼ完璧と言っていいだろう。あとは、毎日しっかりとトレーニングを続ければ必然的に感知できるようになるだろう。
次のステップで使うため、体内の魔力を感じ取るために、体内に意識を集中させる。5分ほどすると、体の中央、ちょうどへその辺りに、一際大きい魔力の塊があった。
それじゃあ、次のステップだ。
今、体内に感じている魔力の塊を、体内に循環させるのが第二ステップの目標だ。
だが、魔力感知と違って魔力操作は簡単にできるものではなく、体内の魔力を動かせるようになるのに、3日かかってしまった。
体内の魔力に意識を向けすぎると、睡魔がすぐに襲ってくるので、何度も睡魔との激闘を繰り広げていた。
その結果、本来の目的である魔力操作の作業に集中することができず、1日ほど遅れが発生していた。
まあ、まだ赤ん坊だから時間は有り余るほどある。だから、別に特別焦る必要はない。
魔力操作の方法は、魔力を心臓部に集め、血液と一緒に血管を通すことで、体内に魔力を循環させていた。
まあ、まだ動かせる魔力も少ないし、そもそもの魔力量も少ないから、増やしていかないとね。
あ、やべ。う◯こでる。
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転生して5年が経った。
魔力は、赤ん坊の頃に始めた、体内の魔力操作トレーニングによって、今も増え続けている。
魔力は、使えば使うほど保有する魔力量が増えていくらしい。だから、僕の常に魔力を体内に循環させるトレーニング方法は、実に効率的に魔力量を増やし続けていた。
その結果、今の魔力量は、転生当初の50倍ほどにまで増えていた。
更に、毎日体内の魔力操作トレーニングを行った結果、魔力を体外に出せるようになったので、暇な時に魔力の性質の検証も兼ねて、魔力でいろいろな形を作って遊んでいた。
この5年で、この世界について分かったことがいくつかある。
まず僕は、ウィルキア大陸の南部に位置し、大陸随一の国土と軍事力を持つ大国、アルシア帝国。その第五皇子、シルヴァーとして産まれていた。
まさか、皇子になるとは思わなかったなー。でも正直、皇子の地位なんていらないんだよね。僕の【異世界やりたいことリスト】を埋めるには、皇子みたいな高い地位もいいけど、やっぱ自由に動けるかつ、欲しい情報がある程度知れるポジションがいいんだよな。
「やっぱ、学院に行くのが一番いい気がする」
この、5年で習得したこの世界の言語で呟く。
この国では、魔力を保有して生まれてくるのは、皇家に連なる『アルシア貴族』を名乗ることが許されている名家の者たちだけだ。
そんな、帝国貴族の令嬢や子息が12歳になると入学する学院。
『帝立アルシア貴族学院』
この学院に入学することが、『アルシア貴族』への第一歩とされている、超名門校だ。
よし、当面の目標は、学院に皇子としてではなく、別人として入学することだな。
後5年もすれば、少し残念だがこの地位ともおさらばだ。
それまでに、魔力を使った戦闘にも慣れておかないとな。
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