03.いんたーねっとの九十九神
「で・・・?お前はなんなんだ?」
私はパソコンの前に座り、対話を試みようと自称神に対して尋ねる。
「だから何度も言っておろう。いんたーねっとの神であると」
答えにならない答えが返ってきた。
「それで、自称神様はなんでわざわざ私のパソコンに顕現されたんで?」
話にならないのでとりあえず原因を訊ねてみる。
「うむ。うむ。やっと話を聞く気になったか。それはの、信仰を集めるためである!」
こいつ、本当に神か?怪しい新興宗教が作った質の悪いウイルスじゃないのか?
裏で誰かが話しているのではないと考えてパソコンを確認するが、インターネットからは切断されている。
「理由はわかった。それで、何故、私の、パソコンに、勝手に、インストールされたんだ?」
少し圧を強めて言い放つ。
「それはのぉ、この神社は神がおらんじゃろう?だからじゃ!あと我は神ぞ?インストールなんぞされておらん。」
と、ドヤ顔で答える自称神。
衝撃の事実を聞いたがやはり理由がよくわからない。
「なんだ、神にも縄張りでもあるのか?」
「似たようなものじゃな。神が現世に降りるには色々制約があっての。親和性が高く、神がいない地域にしか降りられんのじゃ。」
こいつ、家主がいない事をいいことに居住権を主張するタチの悪い乗っ取り屋じゃねぇか。
「で、それをどうやって信じろと?私はまだタチの悪いウイルスかドッキリを疑っているんだが。」
「魔人、神人、天使と堕天の両翼、新しい種族と迫害、神魔族、なんちゃらプロフだったかの?」
「わかったから辞めろ。それは俺に効く。」
こいつ、中学のころの黒歴史を引っ張り出して来やがった。確実に消したはずにもかかわらずだ。
「我はいんたーねっとの神じゃからのぉ!一度でも公開された情報は消しても残ってるものよ。ちなみにじゃが我の拡散力も中々のものよ。」
「わかったから脅すのは辞めろ。神かどうかは認めたくはないがまずは納得しよう。それで、信仰を集めて何をする気だ?」
「おお!やっとその気になったか!我はまだまだ産まれたばかりで神力が弱いからの。まずは信仰を集め、もう少し自由に動けるようになりたいのだよ。」
回答になっていない回答が帰ってくる。
こいつもしかして馬鹿なんじゃないか?
「自由に動けるようになったら出て行ってくれるのか?」
とりあえずめんどくさそうなので追い出せる可能性を確認する。
「不敬なやつじゃの。我は神ぞ?崇めるべき存在であろう。まぁ貴様の頑張り次第かのぅ。」
これは出て行かないやつだな。
仕事関係の情報をばら撒かれるとたまったものではないしとりあえず話をあわせておくか。
「わかった。とりあえず協力しよう。」
「うむ!契約は成された!では今から貴様を私の使徒として任命しよう!光栄に思うのじゃ!」
自称神がそういった瞬間、私の体に激痛が走った。
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