第30話 『030 ニーナが冒険者登録』

『030 ニーナが冒険者登録』


ギズモを倒してから再びギルドへ戻る。


何もなかったかのようにして。


中には俺の顔を見て不思議に見ているのもいるが、無視しよう。


戻ってきたのは掲示板で俺の名前がある依頼書があるかだ。


それを調べるのをしたかったのに、ギズモが邪魔をしてきて見れなかった。


もう一度確認すると名前はあった。


悪役貴族のガイルの捜索。


拘束した者に報酬を出すとあり、金額もまあまあな金額です。


これならまた獅子の聖者みたいに俺を追ってくる冒険者パーティーがいそうだ。


ギルドにはニーナだけ登録する。


俺は必要はない。


偽名でもできるけどニーナが登録してあれば十分だろう。


例えば依頼を受ける場合もあるとして、報酬がもらえる。


その受け取り人はニーナが受け取ればいい。


「悪いが冒険者登録をしてくれ」


「私でよければ」


「お名前と、年齢、種族、性別、ステータスを書いて下さい。それで登録します」


受付嬢から紙を渡されてニーナは書いた。


特に問題はないと思うけど、種族の欄に魔狼族と書くのは避けた。


魔狼族は超レア種族であるから、有名になるとややこしい。


注目される必要はない。


登録は無事に終わった。


簡単だった。


普通は登録したらFランクあたりから始めるのが常識だろうけどニーナはいきなりAランク判定なので、Bランクくらいでも受けれそうだな。


ニーナは登録を済ますと嬉しそうにした。


冒険者登録は元から興味があったらしい。


最初に出会った時に腕輪をしていて俺が切断したら自由になった。


なぜ腕輪をしていたのかと聞くと、強制的に腕輪をつけさせられたので、魔狼族の力を抑えられて奴隷になったと聞いた。


今は腕輪は切断してあるので、Aランク冒険者としてデビューとなった。


ちなみにAランク冒険者は冒険者全体の数パーセントしかいない。


そのためギルドはAランク冒険者へは待遇が良いされる。


Fランク冒険者とは活躍できる場が違う。


代わりの人がいくらでもいるのがFランクなのだ。


だから扱いは丁寧ではない。


もしも俺が登録すればSランクになるのだが、永久に登録はないだろうな。


その点は残念な点である。


ゲームを楽しんでプレイした俺からしたら、冒険者として活躍するのが一番の醍醐味なわけで、登録ができないのは楽しみは半減以下だろう。


俺は悪役貴族のガイルに転生した時点で、運命になっている。


「楽しそうな依頼はあるかな。この依頼はどうですか。簡単そうですが」


「えっと、手紙を届ける依頼か」

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