第31話 『031 初めての依頼』

『031 初めての依頼』


ニーナが見た依頼は手紙を届ける内容の依頼だった。


掲示板にはたくさん依頼書があるから、迷ってしまう。


その依頼内容に俺は記憶があった。


ゲームでやったことがあるなと思ったから。


プレイした依頼の内容を全部記憶しているプレイヤーはいないだろうが、この依頼は記憶にあった。


手紙を届けるのが目的なのだが、無事に到着して届けるとご褒美がもらえるというお得な依頼。


ご褒美は確か、ステータスの身体能力強化スキルがもらえるのだったな。


勇者オーディナルでプレイしていて身体能力強化には凄くお世話になった。


それほどに取っていて損はないスキル。


しかも今の俺は勇者オーディナルとは大違いで、ステータスの体力や攻撃力などは全てFランク状態。


身体能力強化があれば戦闘時に大幅に強くなれるスキルだから、ガイルには必須のスキルだった。


しかもここまでガイルで来てレベルアップはない。


勇者パーティーや獅子の聖者、吸血魔族アモンも殺したのに、一切のレベルアップはなかった。


つまりガイルはキャラ設定でレベルアップはないキャラと確定している。


レベルアップはしないなら、一生このステータスのままである。


厳しい状況であるから、身体能力強化スキルが必須なのだ。


このスキルなら上昇はあると思う。


「ニーナ、いい依頼を発見したよ。ぜひとも受けよう」


「はい」


受付では徒歩で行くのをすすめられる。


ゲームと同じだ。


こういった依頼はゲームのメインストーリーと同じで変わっていない。












隣町に手紙を届ける依頼を受けるのは決まった。


詳しい場所を教えてもらうとさっそく出発する。


町から町へは街道はあるので、道なりで進める


ただし途中で険しい山や谷があり、体力を使うようになっている。


「ガイル様、隣町に行くのに馬車は使えるようですが、使わないのですか」


「うん、これは試練だな。徒歩で行くのが重要な条件になる。徒歩で到着して手紙を届ける依頼を達成すると身体能力強化スキルが取れるんだ」


「そんな特典があったのか。じゃあ馬車は使わないとして、私が狼になって背中に乗るのもだめですか」


「だめだろうな。自分で歩かないとスキルは取れないと思う」


ニーナが狼に変形するとどうなのかは実際には試さないとわからない。


ゲームでは魔狼族の背中に乗ることはなかったし、攻略サイトでも書いてなさそう。


自力で到着するのがリスクはないな。


徒歩で向かうとした。


時間はかかるけども、貴重なスキルが手に入ることを考えるとお得と言える。


街道とはいえ馬車が走れる道になっていて歩きやすいけども魔物は登場する。


スライムにベアーも登場する。


スライムは何度も戦闘している。


ベアーは山に多く出る魔物。


腕力もあり体も大きいのが特徴だ。


魔剣ライゼンで切って行く。


オーガ斬りならば一撃で終わる。


ニーナもベアーと対戦。ニーナならば余裕だった。


馬車なら楽に進める距離も徒歩は時間はかかるな。

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