第28話 『028 冒険者と決闘』
『028 冒険者と決闘』
冒険者は俺を見てにやにやしているのは、俺との勝負なら勝てる自信がある感じ。
それもそのはずで水晶ではFランクと判定されたのだから、劇弱の初心者レベル。
スライムすら倒せないレベルと思うのは当然だ。
だから俺を決闘に指名してきた。
「どうなんだお前、俺と決闘するだろ」
「決闘しないとどうします?」
「俺たちの不戦勝だな。獣人の女は俺達のパーティーに無条件で入る」
「えっと、それなら決闘するしかないかな」
「あはは、決まりだ!」
ギルドでは基本的に冒険者と冒険者の戦いは規約で禁止されていてゲーム内では起きないのだが、こいつは堂々と申し込んできた。
ギルドから少し離れた町の中を選んだ。
周囲には誰もいないから俺としても好都合だな。
人に俺の戦闘も見られるのはリスクが高いから。
「俺の名前はギズモ。Cランクパーティーの栄光の盾の団長だ」
「知らないパーティー名だ」
本当に知らない。
ゲームで出てきても冒険者パーティーAとかと表記されるレベルだろう。
「知らないだと、じゃあわからせてやるよ。俺はギルドでも期待のルーキーと呼ばれているんだぞ。殺しはしないから家に帰るんだな、あはははは、じゃあ行くぞ、栄光の盾の実力を見せてやろう。グランドアタック!」
前置きが長い奴だな。
グランドアタックという攻撃だった。
盾で突っ込んくるだけ? 俺は回避した。
突進だから回避はできる。しかしただの盾じゃなかった。
盾から横に鋭い剣が出て来て、剣で切る攻撃だった。
回避した際に魔剣ライゼンで防御はできた。
「盾から剣が?」
「ふふっふ俺の盾は攻撃も可能。防御しながら攻撃もできる。つまりは最強の攻撃ってことだあ!」
珍しい武器というか防具だな。
確かに言う通りで防御しつつ攻撃できるなら効率がいいし、相手は困るだろう。
魔剣ライゼンでなかったら体はざっくりと切れていた。
次もギズモは突進してくるのを繰り返す。
速度は決して速くはないが、盾で自分を隠して突進するから速くは突進はできない。
まるで闘牛のような戦闘だった。
魔物もこうやって討伐してCランクまで上げたと予想できる。
だたしそれが通用するのは盾が通用する相手に限定される。
盾を破壊できる攻撃に対しては有効じゃないよな。
オーガ斬りには通用しない。
突進に対してオーガ斬りで。
「あはははは、逃げずに剣で勝負か。終わりだ、盾には通じない。それがグランドアタックだ。ああああああああ! 盾があああ、折れただと! 嘘だろ」
「盾は俺の剣で切った。終わりだな」
オーガ斬りで盾を切断して、ギズモも切った。
殺す必要はないので、少し気を失う程度に切っておいた。
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