第24話 『024 剣士シカク』
『024 剣士シカク』
「ふふ魔狼族だったとは。これはレアな敵だぜ。しかし魔狼族でもファイアーボムは無敵だ」
「弾き返せばどうなるかな?」
「はじき返すだと、そんなことができるかよ、まさか、ファイアーボムを殴って返すかよ! あああああああ!」
「サジ!」
サジのファイアーボムを手ではじき返すという反則技でサジは自分の魔法で爆発した。
もう戦闘は不能だろう。
「どんな手してんだ?」
「あの程度の火なら返せます。今度はガイル様です」
サジが戦闘不能になったら剣士シカクが俺をにらむ。
「団長、サジがやられました」
「サジは不用意だった。魔狼族だったのは情報にはなかったが、魔狼族だけ注意すればいい。ガイルはただの貴族だ。宿から脱出したのも魔狼族のおかげだろう」
「そうっすね。悪貴族など剣も振れませんよ」
剣士シカクが俺に剣を向ける。
今のニーナを見ても怖がらないか。
そこらの冒険者パーティーなら逃げ出すレベルの強さだったけどな。
シカクが並じゃないのは伝わる。
「まだ俺達を狙うのか?」
「ふふ、魔狼がお前の護衛だろ。魔狼なしで戦えるのかよ。俺の剣術はパーティー最強だ。妖剣術鳳凰だあ」
「鳳凰が出たな」
シカクが剣を振ると鳳凰が出てきて俺に迫ってきた。
これはレアな剣術だな。
鳳凰を防御するも強烈な攻撃だったので飛ばされた。
俺の不注意だったし、そもそもガイルのステータスが低いので防御力が低いのもあった。
「あはははは、サジは負けたが。俺は違うぜ。負けを認めたほうがいいぜ悪の貴族さん」
「面白い剣だな。俺の剣を見てもいないのに早計だが」
「どうせ違法に稼いだ金で買った剣だろう。俺の妖剣術鳳凰には勝てんよ」
「それはどうかな?」
また鳳凰が飛んでくる。
魔力で作った鳳凰。
それを今度は魔剣ライゼンで切る。
ライゼンの剣の力は想像を超える。
「うわああああああ、鳳凰が一撃で切られた、なんだその剣はあああ!」
「魔剣ライゼンだが、なにか」
「魔剣ライゼンだと。あの魔剣は世界一危険な魔剣だろ。なぜ貴族のお前が使えるんだよ。勇者でも使いこなせないと言われるのだぞ」
「俺は特別なんだよ」
ゲームの設定で勇者が奴隷を買った時だけ変更されるサブストーリー。
このサブストーリーに変更すると俺はオーガ斬りを習得して魔剣ライゼンを持てるという最悪な設定になる。
俺はこのサブストーリーに変更させた。
シカクは理解できないようだ。
自分の妖剣術鳳凰がいとも簡単に負けたのを受け入れできない様子。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます