第21話 『021 宿に敵』

『021 宿に敵』


カンデラ町に来た目的は薬を買うことで、偽薬を買ってしまったので、偽薬ではない本物を購入した。


その後は転移魔法で村に帰る。


村に帰ると親と娘が待っていた。


もう祝杯は終わっていたからニーナは悔しがっていた。


薬を渡すと娘は喜んでくれた


たかが薬を入手するのに、かなりの体力を使ってしまった。


娘のおかげで悪貴族ガイルがかなり悪いことを国内でもやっていることがわかった。


ここまで悪さを広げているとは知らなかった。


まだまだ貴族のガイルが悪さをしていて、俺の邪魔になるのも想定しておく。


生き残るのも大変になる予感がした。村を去った。









俺は村からスタートの町に転移するのは避けて、別の町に移動した。


スタートの町は奴隷商人の店があり勇者オーディナルに奴隷商人は殺されているから、リスクがあるのだ。


ニーナと一緒に宿に入った。ニーナとの行動も慣れてきた。


宿でゆっくりとしたい。


吸血魔族と戦いをして、その後に工場でケンタウロスと霊亀とも戦闘になり疲れた。


ゲームと違うのはゲームは何時間プレイしても体力の疲労はないが、この世界だと体と精神も疲れる。


ベッドで休むとした。


「ガイル様、起きてください」


「どうした?」


「宿に不審な動きがあります。明らかに客じゃない動きをしている。人数も多いです。この部屋の周りの部屋にいます」


「不審な動きがわかるのかい?」


「はい、足音でわかります。音がしないように動いていますから逆に変なんです」


「俺を狙っている敵かもな」


ニーナは耳がいいし、周囲の音や動きに敏感だった。


どうやら周囲に俺を狙っている連中がいるらしい。


俺には全く音も気配も感じないけど、宿に来たからには宿の外から狙われていたと思っていいか。


魔剣ライゼンを持って戦闘の準備。


ニーナは壁に接して敵の動きを観察した。


「扉の向こうに10人はいます。外に出ましょうか。窓から出れます」


「ここは2階だが」


「大丈夫です。私がガイル様を抱っこします」


「えっ抱っこですか」


 ニーナは俺をお姫様抱っこして窓から飛び降りる。人族ではできない運動神経だった。地面に着地は成功した。あのまま部屋にいたら、囲まれてどうなったかわからない。


「ニーナ、ありがとう。宿から脱出できた」


「はい、敵が何者か不明ですので、緊急措置でした」


俺達は宿から離れて街路に移動した。


街路には誰もいなかったし、広くて戦いやすい。


敵が来ても問題はない。

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