第19話 『019 霊亀』

『019 霊亀』


「良くやったニーナ」


「ガイル様の支援があったからです」


「次は霊亀だ。出てこい、この霊亀は最強の防御力を誇る。どんな物理攻撃は無効だ、あははは、狼女を殺せ!」


「バカでかい亀だな。動きは遅いだろう。爪で切ってやろう! ううう、硬いな」


「ニーナ、霊亀は防御力は異常にある魔物だ。俺が代わろう」


「爪が割れちゃったわ」


 ケンタウロスの次は霊亀。こいつは亀の魔物で異常な防御力を誇っていたのは、勇者パーティーで何度も何度も物理攻撃したがほとんど効果がなかったな。


 あいにく俺は魔法は得意じゃない。あるのは魔剣ライゼンとオーガ斬りだ。オーガ斬りで切るしかない。さあ、どうなるかな。


「あはははは、狼の爪はもうだめだ。残りはガイルだけだ。殺せ」


「オーガ斬りで行く!」


「あはははは、冒険者でもない貴族が剣で戦うのか。傑作だな。霊亀には物理攻撃は無効だと言っただろ、悪貴族さん、あれ、どうした、霊亀よ、どうしたんだ!」


「自慢の亀は死んだ。俺のオーガ斬りでな」


死んでしまった。


魔剣ライゼンでは防御力が無効なのか。


一撃必殺だった。


ゲームでは魔剣ライゼンを使っていないので俺にもわからない。 


「嘘だ、嘘だ、霊亀がああああああああ」


オーガ斬り一発で霊亀は死んだ。


物理攻撃は無効と言っているが魔剣ライゼンには通じなかった。


霊亀が瞬殺されてグリーンは混乱している。


「おいグリーンは、次の魔物を出せ!」


「もういません。ケンタウロスと霊亀だけです」


「くそおおお、役立たずが死ね」


「ひええええ、商人マージンさん、お止めを!」


役に立たないグリーンを剣で殺した商人。


酷いな。


しかしこれで商人マージンだけになった。


「あはははははははは、私は殺せませんよガイルの旦那。なぜかと知ってますか?」


「知らない」


「へへへ私は国の機関である騎士団と繋がりがあるからですよ」


「騎士団の中に金を渡していると」


「金は数人に渡している。それも上層部の連中にです。つまり意味がわかりますよね。悪の貴族ガイルなら」


「つまりは騎士団が後ろにいるから安全だと?」


悪の商人が考えそうなことだ。


役人にも金で渡したか。


それはたぶんガイルもやっているだろうけどな。


「話が早いですねガイルの旦那。つまりは私には手は出せないですね、へへ」


「そうなるな」


「じゃあ私は去ります。ガイルの旦那もこの町から出た方が利口ですぜ。騎士団が追いますからね、へへ。それでは失礼する」


商人マージンはにやにやしながら去って行く。


俺はこの場で殺すのは簡単だが、殺さなかった。


他に方法を考えたからだ。

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