第17話 『017 商人マージン』

『017 商人マージン』


聞くとこの商人はマージンという名前だった。


思っていた通りマージンだった。


こいつも悪どい奴だ。


金儲けのことしか考えていない男。


転生する前の日本にも悪い詐欺師はいたが、この世界も変わらないようだ。


工場はガイルが出資したなら利益の一部は俺に入る仕組みだろう。


問題は俺がどうするかだ。


このまま俺も利益を得るか。


それとも悪事から手を引くかだ。


俺の考えは決まっている。


俺がこの世界で生き残れるかどうかだ。


勇者パーティーを殺したのも生き残るためだった。


よって商人マージンが必要かどうかで決める。


答えは不要。


むしろ商人マージンがいることで俺が国家に捕まる可能性もある。


すでに奴隷商人ケアズは違法奴隷の店で遺体だ。


そのうち発見される。


そうなると関係があった俺が疑われるだろうし、すでに俺を国が追っているかも知れない。


商人マージンがこの偽薬を作るのを続けると俺にも足がつくよな


だったら消すのがいい。


「ガイルの旦那、奴隷商人の方もうまくいっているんでしょう。いいですね。お隣にいる女性はまた美しい女性ですな」


「なに見てんのよ。食うわよ」


「えっすみません」


じろじろとニーナの体を見るのでニーナに食われそうになった。


今のニーナは祝杯の肉が途中で食えなくなったから機嫌が悪い。


「ニーナ、この工場を破壊してくれ」


「ガイル様、それはどうして? ガイル様が出資した工場ですよ」


「構わん、処分する。壊していい」


「はい、壊します」


ニーナには工場を破壊を命じた。


ニーナは狼状態に姿を変形して、暴れ出す。


「うわああああ、狼じゃんかあれ、逃げろ!」


「殺されるぞ、外に逃げろ!」


逃げた方が良いな。


死ぬからな。


「なにを、何をする。ガイルの旦那、これはいったいどうしてですか!」


「ここは破壊すると決めた。偽薬からは手を引く」


「ううううう、やめろ狼、破壊は許さんぞ!」


「ガイル様の命令です。私はガイル様に忠誠をしているのです」


「ううううう、裏切ったなガイル。この私を裏切ったな。許さんぞガイル。貴族はこれだから嫌いなんだよ」


「悪いなマージン。俺との関係は消す。全て消す」


「ガイルがそう出るなら私も変えます。おいグリーン出てこい」


グリーン?

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